1975年4月28日、とんでもない日本のジャズがここにあった。46年前の山下トリオの演奏を聴くと、それぞれが「すべての責任は自分が取る」という意気込み。他の二人に任せても何も解決しない、そんなジャズの作法。始まりは正三角形。あっという間に、その三角形は崩れ去り、各辺が遊離してしまう。頂点が消え失せ、各辺が互いに交差しながら、二次元空間から三次元空間へと。そして、ユークリッド幾何学を越えて。
この3人は、いまだにジャズマンであり、ジャズを肥やしとしてしか生きられないのだろう。坂田氏とはちょっと昔に飲んだことがあり、森山氏とはツーショットの写真を撮らせてもらった。残念ながら、山下氏とはちゃんと会話をしたことがないものの、アルバムを通しての50年来の付き合いである。
Disc 1
1. Duo, introduction
2. Chiasma
Disc 2
3. Up To Date
山下洋輔 - piano
坂田明 - alto saxophone
森山威男 - drums
録音 1975年4月28日 / 新宿厚生年金会館小ホール