Wayne Shorter / Phantom Navigator

1986年録音。詳しい日付までは明らかにされていない。だが、楽器編成は事細かに記載されている。その中に、programmingという言葉が出てくる。いわゆる「打ち込み」である。ウェイン・ショーターが、ウェザー・リポート後にやりたかった音楽がここにある。しかし、このスタイルは長続きしなかったようだ。時代を象徴するアルバムであるが、時代を作ることはできなかった。

Phantom Navigator(幻影航行者)。チック・コリアが1曲だけ参加。スタジオに入ったら、シンセサイザーやコンピュータだらけで、呆れたのではないだろうか。つまり、1曲だけで逃げ出した。そのままナビゲートされなくて良かったとも思える。このアルバムを自分が聴くのは3回目。ショーターの幻影に付き合っている暇はないのだ。

1. Condition Red
2. Mahogany Bird
3. Remote Control
4. Yamanja
5. Forbidden, Plan-It!
6. Flagships

Wayne Shorter - tenor saxophone, soprano saxophone, lyricon, vocals
Chick Corea - piano
Jeff Bova - synthesizer
Jim Beard - synthesizer
Mitchel Forman - synthesizer
Stu Goldberg - synthesizer, electric piano
John Patitucci - bass
Alphonso Johnson - bass
Gary Willis - electric bass
Tom Brechtlein - drums
Jimmy Bralower - drums, percussion programming
Bill Summers - percussion, drum programming
Scott Roberts - percussion, drum programming
Ana Maria Shorter - vocals
Gregor Goldberg - vocals

Recorded in 1986 in Los Angeles, CA.

Wayne Shorter / Native Dancer

このアルバムのWikipediaには、「ブラジル音楽色の強いフュージョンの傑作」「明らかにショーターの最重要作の一つであるアルバム」と書かれている。聴く人によっては、そう感じるのだろう。自分としては、ブラジル音楽は良く知らないし、フュージョンには興味がないので、駄作としか思えない。

ショーターなら、ミルトン・ナシメントと組んで新たなジャズの可能性を示してくれると思い、購入したのだが…。言葉は悪いが余興としか思えない。1970年8月に録音したショーター名義のアルバムOdyssey Of Iskaから4年振りに取り組んだリーダーアルバム。在籍中のウェザー・リポートとは180度異なる色を出そうとしたのだろう。その答えの一つが「ブラジル」というのは、安易に思えて仕方ないのだ。

1. Ponta De Areia
2. Beauty And The Beast
3. Tarde
4. Miracle Of The Fishes
5. Diana
6. From The Lonely Afternoons
7. Ana Maria
8. Lilia
9. Joanna's Theme

Wayne Shorter - soprano saxophone, tenor saxophone
Milton Nascimento - guitar, vocals
David Amaro - guitar
Jay Graydon - guitar
Herbie Hancock - piano, keyboards
Wagner Tiso - organ, piano
Dave McDaniel - bass
Roberto Silva - drums
Airto Moreira - percussion

Recorded on September 12, 1974 at The Village Recorder, Los Angeles, CA.

Wayne Shorter / Odyssey Of Iska

1969年8月にマイルスグループから独立してアルバムSuper Nova、71年2月にはアルバムWeather Reportを録音。その中間に位置するのが本作。ウェイン・ショーター自身にとって、ウェザー・リポートの原点となったとも言える。曲目を敢えて日本語で表すと、「風」、「嵐」、「無風」、「空虚」、「歓喜」。この頃のショーターの内面が伝わってくる。

CD帯から。「ジャズ界最後のカリスマが70年代のブルーノートに残した最後の作品。ウェザー・リポート結成前年に完成させた壮大な叙事詩。サックス、マリンバ、ツイン・ドラム、ツイン・ベースらが織りなすマジカルな音世界」。確かにマジカルかも知れないが、ドラムとベースをツインにした理由が分からない。ましてや、ベーシストは、それぞれ独自のスタイルを持っているロン・カーターとセシル・マクビー。ショーターの狙いが、いま一つ定まっていない感じがするのだ。

1. Wind
2. Storm
3. Calm
4. De Pois Do Amor, O Vazio (After Love, Emptiness)
5. Joy

Wayne Shorter - tenor saxophone, soprano saxophone
David Friedman - vibraphone, marimba
Gene Bertoncini - guitar
Ron Carter - bass
Cecil McBee - bass
Billy Hart - drums
Alphonse Mouzon - drums
Frank Cuomo - drums, percussion

Recorded on August 26, 1970 at A&R Studios, NYC.