Wes Montgomery / So Much Guitar!

広く知られているアルバムではないと思う。では、駄作かと言うと、決してそんなことはない。1960年1月録音のIncredible Jazz Guitar、62年6月録音のFull House。この2つの傑作アルバムの中間61年8月に録音され、埋もれてしまった秀作。

コンガのスパイスが効いているアルバムなのだが、時には効きすぎて、邪魔になっている。ジャケットもSo Muchが多すぎる。プロデューサーは、オリン・キープニュース。サービス過剰だった。

1. Twisted Blues
2. Cotton Tail
3. I Wish I Knew
4. I'm Just A Lucky So And So
5. Repetition
6. Something Like Bags
7. While We're Young
8. One For My Baby (And One More For The Road)

Wes Montgomery - guitar
Hank Jones - piano
Ron Carter - bass
Lex Humphries - drums
Ray Barretto - conga

Recorded on August 4, 1961 at Plaza Sound Studios, NYC.

Wes Montgomery / Incredible Jazz Guitar

さて、なんと訳そうか、このアルバムタイトルを。単純には「驚くべきジャズギター」となるのだろう。しかし、ウェス自身は気恥ずかしかったに違いない。「オレ、ジャズが好きで、ギターが好きで、一生懸命に練習してきたんだ。Incredibleとか言われてもなぁ。そういうタイトルでレコードが売れて、生活が楽になれば、まぁいいんだけれど」。たぶん、そんな気持ちだったのではないか。なので、「やるじゃん、このジャズギター野郎!」といった感じ。

ライナーノーツで岡崎正道氏が、ウェスの「最高傑作」と論じている。反論する気持ちはないが、それは後付けのロジック。ウェス本人は、さらに技を磨こうと思っていたはず。その過程にあったアルバムを最高と評するのは、聴き手の勝手でしかない。つまり、ウェスが「自己確立」したアルバムとして聴くべきであろうし、ここにウェスの「真髄」があるのは事実だ。

1. Airegin
2. D-Natural Blues
3. Polka Dots And Moonbeams
4. Four On Six
5. West Coast Blues
6. In Your Own Sweet Way
7. Mister Walker
8. Gone With The Wind

Wes Montgomery - guitar
Tommy Flanagan - piano
Percy Heath - bass
Albert Heath - drums

Recorded on January 26 & 27, 1960 at Reeves Sound Studios, NYC.

Wes Montgomery / The Wes Montgomery Trio

ギター、オルガン、ドラムというトリオ。ジャケットのイラストもそれを描いていて、A DYNAMIC NEW SOUND: GUITAR / ORGAN / DRUMSとサブタイトル的な記載がある。この楽器構成はプロデューサーのオリン・キープニュースによる仕掛けだったのだろう。

CD化で別テイクが2曲追加。だが、別テイクの次に本テイクという収録順序。LPでボツとなったテイクを先に入れると言う普通では考えられない発想。それに関して、輸入盤ライナーノーツには、キープニュースによる注釈が付けられていた。つまり、Satin Dollは採用テイクをスタッフが間違え、Missile Bluesはモンゴメリーが見事なソロ演奏の後に失敗を犯してしまった、ということである。

Two previously unissued takes have been added to the original album for this Compact Disc release. Take 5 of "Satin Doll" was marked "Hold" (indicating tentative acceptance) when recorded, but the next take was used on the album. Take 5 of "Missile Blues" with a fine Montgomery solo, was not completed because of an out-chorus mistake. To tidy it up for release here, the brief last chorus of the final take has been edited on.

このCDは、オリジナルアルバムにリリースされていない2つのテイクを追加。Satin Dollのテイク5は録音時にHold(仮承認)とマークされていたが、次のテイクがアルバムで使用された。モンゴメリーの素晴らしいソロでのMissile Bluesのテイク5は、コーラスのミスのために不完全だった。ここでは、短い最後のコーラスを編集した。

1. 'Round Midnight
2. Yesterdays
3. The End Of A Love Affair
4. Whisper Not
5. Ecaroh
6. Satin Doll [alternate take (take 5)]
7. Satin Doll
8. Missile Blues [alternate take (take 5)]
9. Missile Blues
10. Too Late Now
11. Jingles

Wes Montgomery - guitar
Melvin Rhyne - organ
Paul Parker - drums

Recorded on October 5 & 6, 1959 at Reeves Sound Studios, NYC.