渡辺貞夫 / PAMOJA

オール・ジャパンによる1975年10月27日の読売ホールでのライブ演奏。この頃の日本のジャズは、世界に通用していた。いや、超えていたとも言える。PAMOJAとはスワヒリ語で「一緒に」という意味らしい。曲名をタイトルにするのは構わないが、ジャケットの写真は全くの意味不明。ジャケットからオール・ジャパンのライブを連想する人は皆無だろう。

1974年7月、日本初のジャズ専門レーベルとして設立されたイースト・ウィンド。その志は高かったと思うのだが、ジャズファンに目を向けていたのだろうか。本作は、1曲目が終わらないうちに拍手を入れて2曲目を被せている。ラスト曲もフェイドアウト。LPでは収録時間の関係から苦肉の策だったのかも知れないが、CDではその音源をそのまま流用。やはり、ファンを無視しているのだ。

1. Vichakani
2. Musitoni
3. Pamoja
4. Ev'rytime We Say Goodbye

渡辺貞夫 - alto saxophone, flute
福村博 - trombone
増尾好秋 - guitar
本田竹曠 - piano
鈴木勳 - bass
村上寛 - drums
富樫雅彦 - percussion

Recorded on October 27, 1975 at Tokyo Yomiuri Hall.

渡辺貞夫 / Swiss Air

CD帯から。「演奏の神がかり的な迫力と観客の熱狂的な反応がケミストリーを生み出した。日本が世界に誇るジャズ伝道師、渡辺貞夫が5年ぶりにモントルー・ジャズ・フェスティバルで行なったライブレコーディング。アフリカに題材を求めたオリジナル曲を中心に、徹底的にモーダルかつスピリチュアル、濃厚な世界が繰り広げられている。本田竹曠の勢いあふれるピアノプレイも圧巻」。

ライナーノーツによると、曲順1,2,5,3,4で実際の演奏が行われたようだ。つまり、3曲目に演奏されたPagamoyoをフェイドアウトして5曲目に収録。LPでは仕方なかったのだろうが、CD化で何の工夫もしていないことに腹が立つ。ナベサダは素直にOKを出したのだろうか。

1. Masai Steppe
2. Tanzania E
3. Sway
4. Way
5. Pagamoyo

渡辺貞夫 - alto saxophone, sopranino, flute
本田竹曠 - piano
河上修 - bass
守新治 - drums

Recorded on July 18, 1975 at Montreux Jazz Festival, Switzerland.

渡辺貞夫 / Sadao Watanabe

ナベサダは、日本のジャズの骨格を作った男。だけど、日本発ジャズを世界に示すことはできなかった。一方の山下洋輔は、大和魂的に彼のパフォーマンスを世界に広めたと言っていいだろう。このアルバムに、その解があるような気がする。アフリカの旅で感じ取ったリズムとメロディー。それをアルバムにしたナベサダ。その後、そのモチーフを発展していったのだが、自分流のジャズにまで到達できなかった。そして、1970年代後半に吹き始めたフュージョン。その波に乗ってCalifornia Showerをリリース。

CD帯から。「1972年、渡辺貞夫は初めてアフリカを訪問する。帰国後に完成した自作曲は40曲あまり。その中から厳選したナンバーを収めたのが本作だ。全編に渡ってアフロ色濃厚なスピリチュアル・ジャズが展開されている。そのテンションの高さ、熱さは今なお圧倒的だ。若き日の板橋文夫を筆頭とするサイドメン陣も充実、50年代からの僚友・高柳昌行も強烈なギター・ソロを聴かせる」。それにしても、タイトルをSadao Watanabeとして、何を伝えようとしたのか。

1. Sasa
2. Mtoto
3. Mtelenko
4. Poromoko La Maji
5. Kijiji
6. Barabara
7. Mombasa
8. Upepo
9. Umeme

渡辺貞夫 - alto saxophone, sopranino, flute, percussion
福村博 - trombone, percussion
高柳昌行 - guitar
板橋文夫 - piano, electric piano, percussion
古野光昭 - bass
倉田在秀 - drums

Recorded on February 24, 1972 at Iino Hall, Tokyo.