Tommy Flanagan / Confirmation

「Kindle読み放題」で見つけた後藤雅洋氏の著書『ゼロから分かる! ジャズ入門 知れば知るほど、面白い』。まぁ、入門書ということで自分には不要だったが、無料なので眺めてみた。すると、第6章「ジャズの常識曲」の8曲目How High The Moonで、このアルバムが次のように紹介されていた。

「“名盤の陰にフラナガンあり”と讃えられるほど、数多くの名盤に参加したフラナガンが録音したアルバム。名手G・ムラーツ(b)との美しいデュオが収録されています」。Amazonで調べてみたら、1,018円と安価だったので迷わず購入。

紹介文に嘘はないが、ライナーノーツを読むと、アルバム自体はアウトテイク集であることが判明。アルバムEclypso(1977年2月録音)とBallads & Blues(78年11月)から漏れた曲で構成されている。前者はムラーツとエルビンによるトリオ、後者はムラーツとのデュオ。従って、チャーリー・パーカー作のConfirmationというタイトルではなくTrio & Duoのようにすべきだった。ドイツの名門レーベルenjaとしては、工夫が足りなかった気がする。

1. Maybe September
2. Confirmation
3. How High The Moon
4. It Never Entered My Mind
5. Cup Bearers
6. 50-21

Tommy Flanagan - piano
George Mraz - bass
Elvin Jones – drums (except tracks 3,4)

Tracks 1, 2, 5 & 6 (outtake from the album “Eclypso”)
Recorded on February 4, 1977 at Sound Ideas, NYC.

Tracks 3 & 4 (outtake from the album “Ballads & Blues”)
Recorded on November 15, 1978 at Penthouse Studio, NYC.

Tommy Flanagan / Flanagan's Shenanigans

1989年に設立されたデンマークのジャズパー賞。その第4回の1993年は、トミー・フラナガンが受賞。それを祝ってのコンサート。ゆえに、和らいだ感じのライブ演奏となっている。フラナガンは、肩に力が入らず見事なパフォーマンスを繰り広げる。ご機嫌な一枚。

タイトル曲Flanagan's ShenanigansはジャズピアニストJames Williams(ジェームス・ウィリアムス)の作品。彼とフラナガンとの接点は見つからなかったが、フラナガンより20歳ほど若く、大先輩として尊敬していたのだろう。shenaniganとは「いたずら」「悪ふざけ」の意味。Flanaganとの語呂合わせ思い付いたウィリアムスの「悪ふざけ」。それをアルバムタイトルにしたのもプロデューサーの「悪ふざけ」。だが、フラナガンは受賞コンサートなので、「悪くないね」とほほ笑んだに違いない。

1. Eclypso
2. Beyond The Bluebird
3. Minor Mishap
4. For Lena And Lennie
5. Flanagan's Shenanigans
6. Balanced Scales
7. But Beautiful
8. Let's
9. Tin Tin Deo

Jesper Thilo - tenor saxophone
Tommy Flanagan - piano
Jesper Lundgaard - bass
Lewis Nash - drums

The Jazzpar Windtet:
Flemming Madsen - bass clarinet, baritone saxophone
Uffe Markussen - bass clarinet, soprano saxophone, tenor saxophone
Jan Zum Vohrde - flute, alto saxophone
Steen Hansen, Vincent Nilsson - horn
Henrik Bolberg Pedersen - trumpet

Recorded on April 2, 1993 at The JAZZPAR Prize concert, SAS Falconer Center, Copenhagen, Denmark.

Tommy Flanagan / Jazz Poet

トミー・フラナガンのピアノを十分に楽しめるアルバム。だが、録音が1989年であることを考えると、アルバムの狙いはどこにあったのかと首を傾げてしまう。まぁ、タイトルがJazz Poetなので、時代に左右されないジャズの詩的要素を表現しようとしたのだろう。フラナガンらしい一枚とも言えるのだ。

ディスコグラフィーを見ると、フラナガン名義のスタジオ録音としては、1982年末録音のモンクをトリビュートしたアルバムThelonica以来となる作品。どちらも、ベースのジョージ・ムラーツと組んだピアノトリオ。ドラムは、アート・テイラーからケニー・ワシントンに交代。ジャケット裏面には、Producer Wim Wigt, Co-Producer Diana Flanaganと記載されている。プロデューサーの一人は、フラナガンの奥さんだろうか。彼女から「自分らしさを表現できるアルバムを創れば?」と、アドバイスがあったような気がする。

1. Raincheck
2. Lament
3. Willow Weep For Me
4. Caravan
5. That Tired Routine Called Love
6. Glad To Be Unhappy
7. St. Louis Blues
8. Mean Streets
9. I'm Old Fashioned
10. Voce Abuso

Tommy Flanagan - piano
George Mraz - bass
Kenny Washington - drums

Recorded on January 17 & 19, 1989 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey.