Tal Farlow / The Swinging Guitar Of Tal Farlow

所有するアルバムの中で、1950年代半ばのギターリスト名義のトリオアルバムは見当たらない。さらに、ギター、ピアノ、ベースという構成は、当時は革新的であったはず。しかし、ピアノとギターは完全にぶつかる。ピアノの自由度、ギターの瞬発力。だが、どちらも弦楽器であって、ある意味では打楽器の要素を持つ。当然ながら、それを知って作られたアルバム。

タル・ファーロウのギターワークを中心に聴こうとすると、ピアノが邪魔で仕方ない。エディ・コスタのピアノはタルのギターを支えようとしているのだが、音数(おとかず)が多すぎる。結局のところ、厚みのあるジャズとなったものの、緩急に欠けていてハッとする場面に出会えることは少ない。ギター、ベース、ドラムという構成が正解だったような気がする。まぁ、良くも悪くも、タイトル通りThe Swinging Guitarという感じではあるのだが。

1. Taking A Chance On Love
2. Yardbird Suite
3. You Stepped Out Of A Dream
4. They Can't Take That Away From Me
5. Like Someone In Love
6. Meteor
7. I Love You
8. Gone With The Wind
9. Taking A Chance On Love [alternate take]
10. Yardbird Suite [alternate take]
11. Gone With The Wind [alternate take]

Tal Farlow - guitar
Eddie Costa - piano
Vinnie Burke - bass

Recorded in May 1956.

Tal Farlow / Tal Farlow Quartet

ギター2本、ベース、ドラムという珍しい組み合わせ。タル・ファーロウの絶妙なギターを、ドン・アーノンのリズム・ギターが際立たせている。そして、クライド・ロンバルディの落ち着いたベース、ジョー・モレロのブラッシュ・ワーク。全6曲24分26秒。油断しているとあっという間に終わってしまう。そして、意味不明なジャケット。赤と黒の輪は2本のギターを表しているのだろうか。ブルーノートらしくないアルバムである。

1. Lover
2. Flamingo
3. Splash
4. Rock 'N' Rye
5. All Through The Night
6. Tina

Tal Farlow - guitar
Don Arnone - guitar
Clyde Lombardi - bass
Joe Morello - drums

Recorded on April 11, 1954.

Tadd Dameron / Bebop Professors

40年代末から50年代初頭にかけキャピトルに残されたビバップ・セッションのオムニバスアルバム。粟村政昭氏が選曲を担当し、スイングジャーナル選定ゴールド・ディスクとなった。全16曲中、タッド・ダメロン・グループの演奏が最も多いので、個人的にはタッド名義でデータを整理している。

キャピトル・ジャズ『マスト・アイテム』シリーズの中の一枚。リリース年が不明だが、恐らく70年代後半だと思う。この時代、こういう企画アルバムが作られていたということは、日本のジャズのポテンシャルが高かった証拠だ。

1. Sid's Delight
2. Casbah
3. John's Delight
4. What's New
5. Heaven's Doors Are Wide Open
6. Focus
7. Capitolizing
8. Professor Bop
9. St. Louis Blues
10. Prelude To A Nightmare
11. Panamericana
12. Claude Reighns
13. Really?
14. Over The Rainbow
15. The Jeep Is Jumpin'
16. Johnny Come Lately

Tracks 1 - 6
Tadd Dameron and his Orchestra

Tracks 7 - 10
Babs Gonzales and his Orchestra

Tracks 11 - 14
Charlie Barnett and his Orchestra

Tracks 15 & 16
Louis Bellson and Just Jazz All Stars