Tete Montoliu / Tete A Tete

ピアノトリオであるが、あくまでも主役はテテ・モントリュー。ベースとドラムは脇役。3人のインタープレイを期待すると肩透かしに合う。その理由の一つは、モントリューが盲目であるということだ。アドリブを回したり、4バースを展開するには身振り手振り、目線での合図が必要。リハーサルを繰り返せば、その必要もなくなるだろうが、曲をスコアに落としていくようなものでジャズの醍醐味が薄らいでいく。

極端に言えば、モントリューのピアノだけを聴けばいい。ペデルセンのベースがピアノに絡みついてきたり、ベースやドラムのソロ、4バースの部分もあるが、そこにはぞくぞくするダイナミズムはない。Tete A Teteはフランス語でFace To Faceの意味らしい。モントリューのピアノと向かい合えば、存在感が高まってくるアルバム。

1. What's New
2. We'll Be Together Again
3. Scandia Skies
4. Lush Life
5. Catalan Suite

Tete Montoliu - piano
Niels-Henning Orsted Pedersen - bass
Albert 'Tootie' Heath - drums

Recorded on February 15 & 16, 1976 in Copenhagen, Denmark.

Teddy Wilson / Mr. Wilson

『粒立ちの良い音色と格調高いフレーズ作りで不滅の支持を得る”スイング・ピアノの王者”、テディ・ウィルソン。アメリカの国民的クラリネット奏者ベニー・グッドマンとの共演や、天才歌手ビリー・ホリデイの才能をいち早く見出したことでもジャズの歴史に名を残している。この「ミスター・ウイルソン」は1941年、42年、50年に吹き込まれたナンバーから、ピアノソロやトリオ編成による12曲を厳選した作品。絶頂期にあった彼のピアノを満喫するには、またとないセレクションだ』。

原田和典氏による2013年11月付けライナーノーツの冒頭の部分を抜粋した。本アルバムを簡潔に紹介している。付け加えるとすれば、そのセレクションに見合った上品なジャケット。

1. (When Your Heart's On Fire) Smoke Gets In Your Eyes
2. Rosetta
3. These Foolish Things
4. Them There Eyes
5. I Can't Get Started
6. China Boy
7. I Can't Give You Anything But Love
8. I Surrender, Dear
9. I've Got The World On A String
10. After You've Gone
11. Bess, You Is My Woman
12. Between The Devil And The Deep Blue Sea

Tracks 1 & 2
Teddy Wilson - piano / Al Hall - bass / J.C. Heard - drums
Recorded on April 7, 1941 in Chicago.

Track 3
Teddy Wilson - piano
Recorded on January 21, 1942 in NYC.

Tracks 4, 5, 6 & 8
Teddy Wilson - piano / Al Hall - bass (track 4,6) / J.C. Heard - drums (tracks 4,6)
Recorded on April 11, 1941 in Chicago.

Track 9
Teddy Wilson - piano / Arvel Shaw - bass / J.C. Heard - drums
Recorded on June 29, 1950 in NYC.

Tracks 7, 10, 11 & 12
Teddy Wilson - piano / Al McKibbon - bass / Carl Fields - drums
Recorded on August 25, 1950 in NYC.

Ted Curson / Tears For Dolphy

エリック・ドルフィーは、1964年6月29日にベルリンで帰らぬ人となった。このアルバムは、それから約1ヶ月後にパリで録音された。プロデューサーはAlan Bates(アラン・ベイツ)なる人物。ジャケット裏のライナーノーツも書いている。ドルフィーの死の直後にアルバムを企画し、メンバーを集め、スタジオを確保したことになる。だが、演奏内容は雑なところが一切なく完成度が高い。ということは、別の企画がすでに進行中だったが、ドルフィーの死によって急きょ切り替えたのだろうか。そして、テッド・カーソンはTears For Dolphyを作曲。謎である。

1980年代中頃、日本フォノグラムから「フォンタナ・ニュー・ジャズ・シリーズ」がリリース。その一部が、長い年月を超え紙ジャケットとして最近復刻された。しかも、本作と同日録音のアルバムFlip Topに収録されていた3曲がボーナストラックとして追加。なお、女性アーティストMarte Röling(マルテ・レーリンク)は、このシリーズで16枚ほどのジャケットを担当。しかし、それ以外のアルバムは見つからなかった。あまりにも個性的で声が掛からなかったのか、彼女自身が断ったのか。これも謎である。

1. Kassim
2. East Sixth Street
3. 7/4 Funny Time
4. Tears For Dolphy
5. Quicksand
6. Reava's Waltz
7. Searchin' For The Blues
8. Desolation
9. Light Blue

Ted Curson - trumpet, pocket trumpet
Bill Barron - tenor saxophone, clarinet
Herb Bushler - bass
Dick Berk - drums

Recorded on August 1, 1964 at Studio Acousti, Paris, France.