富樫雅彦 / Plays Be Bop Vol.2

今日で富樫が他界し13年。そのとき、ブログ『日々JAZZ』はまだスタートしていなかったので、富樫の訃報についての文章は残していない。ただ、4ビートを再チャレンジし、複数のアルバムを遺してくれたことに感謝した。

ライナーノーツは瀬川昌久氏が担当し、こう書いている。「富樫独自のドラムセットには、ベース・ドラムとハイハット・シンバルを欠いているが、このカルテットの演奏における彼のシャープなリズムをきいていると、そもそもベース・ドラムのあのおもたるい響きなど、返って無い方がスイングするのではないか、とさえ思われてくる」。ハイハットがあればもっとスングするのに、と暗に言っているのだ。しかし、それは富樫に対して無い物ねだり。

1. Monk's Hat Blues - I'll Remember April
2. It Might As Well Be Spring
3. On A Slow Boat To China
4. If I Should Lose You
5. Everything Happens To Me
6. Joy Spring
7. Bemsha Swing

峰厚介 - tenor saxophone
佐藤允彦 - piano
井野信義 - bass
富樫雅彦 - percussion

Recorded on June 5, 6 & 7, 1991 at Sedic Studio, Tokyo.

富樫雅彦 / Plays Be Bop Vol.1

今日、8月22日は富樫雅彦の命日。享年67。暑い日には熱いジャズ。ライナーノーツに富樫のコメントが長文で載っている。23年ぶりに4ビートをやるようになったきっかけや、2年ほど4ビートの猛練習をしたことなどが書かれている。その結果として、生まれたアルバム。3日間の録音で全13曲。

2枚のCDに分かれたが、曲想や構成の違いはない。Vol.1だけ、ないしはVol.2だけを購入するという人はいないだろう。なぜにこういう販売の仕方だったのか。堂々と2枚組で一発勝負して欲しかった。もしかすると、再発では2枚組になっているかもしれないと調べたら、むしろ廃盤に近い状態だった。

1. Confirmation
2. In A Sentimental Mood
3. Oleo
4. Stella By Starlight
5. I Remember Clifford
6. A Night In Tunisia - Monk's Hat Blues

峰厚介 - tenor saxophone
佐藤允彦 - piano
井野信義 - bass
富樫雅彦 - percussion

Recorded on June 5, 6 & 7, 1991 at Sedic Studio, Tokyo.

富樫雅彦 / Eternal Duo

ライナーノーツ担当はベーシストの翠川敬基。1982年12月付けで、最後にこう書いている。「このアルバムでは、あらゆるニュアンス、音楽の発展が聴きとれる。それは富樫とスティーヴが、絶対的に互いの音楽を認め合っているからに他ならない。むしろ自分にはない表情に触発されて、思わぬ収穫を得ているようにすら見える。デュエットというフォルムは、互いに刺激的でなければ成り立たない形態であるわけで、その意味でも、富樫~スティーヴのデュオはまず考えられる最高のものであるといってよいだろう」。

このアルバムの録音から2年後の1983年9月1日。二人のライブが芝・増上寺の地下で行われた。二人を囲むように椅子が並べられ、演奏が始まる音出しの時にストロボを使わず彼らを撮影した。彼らと一つの空間を共有できたことは、自分にとっての財産である。スティーヴ・レイシー、2004年6月4日他界、享年69。富樫雅彦、2007年8月22日他界、享年67。

1. News From The Bells
2. Twilight
3. Wickets
4. Little Black Bird
5. Retreat

Steve Lacy - soprano saxophone
富樫雅彦 - percussion

Recorded on October 22 & 23, 1981 at King Records Studio No.2, Tokyo.