Thelonious Monk / The Thelonious Monk Orchestra At Town Hall

今日は13日の金曜日。モンクの作品Friday The 13thが収録されている本アルバムを思い出した。タイトルはオーケストラなのだが、弦楽器はウッドベースだけ。管弦楽とはいい難い。フロント7管のテンテットである。タウンホールに足を運んだ人は、オーケストラを期待していたのだろうか。一曲毎に拍手が沸き起こるので、コンサートはテンテット、もしくはビッグバンドという案内だったはず。

演奏曲目はすべてモンクの作品。作曲家でありジャズピアニストのHall Overton(ホール・オーバートン)とモンクがアレンジを担当している。モンクが同業者にアレンジの協力を依頼したということは、このコンサートに相当な力を注いでいたことが分かる。ただ、不思議なのはアンコールでLittle Rootie Tootieを再度演奏していること。それでもアンコールの拍手が鳴り止まない。同じ曲を何度もできないので、フロントはCharlie Rouse(チャーリー・ラウズ)のテナーサックスだけにして、それに続くIn Walked Bud, Blue Monk, Rhythm-A-Ningの3曲は、カルテットで応えたのではないだろうか。

1. Thelonious
2. Friday The 13th
3. Monk's Mood
4. Little Rootie Tootie
5. Off Minor
6. Crepuscule With Nellie
7. Little Rootie Tootie [encore]
8. In Walked Bud
9. Blue Monk
10. Rhythm-A-Ning

Charlie Rouse - tenor saxophone
Phil Woods - alto saxophone
Pepper Adams - baritone saxophone
Donald Byrd - trumpet
Eddie Bert - trombone
Robert Northern - French horn
Jay McAllister - tuba
Thelonious Monk - piano
Sam Jones - bass
Art Taylor - drums

Recorded on February 28, 1959 at The Town Hall, NYC.

Thelonious Monk / Live At The Five Spot

モンクとコルトレーンの貴重なセッションが、1993年に発掘されたことは画期的だった。録音の悪さはどうでもいいこと。リリースされた時点では、このファイブ・スポットでのセッションは1957年夏と考えられていた。しかし、その後の研究で58年9月11日と判明。モンクとコルトレーンのディスコグラフィーもすでに訂正されている。60年以上も前の出来事なので、1年程度の誤差は・・・と思ってしまうが、50年代後半のジャズの世界で起こっていた大きなうねりとその正確な時間軸は極めて重要。

ましてや、モンクとコルトレーンによるライブ。しかも、フロントはコルトレーンのみ。コルトレーンはモンクから多大な影響を受け、自身を確立していく礎を築いた頃だ。残念なことは、安っぽいイラストをジャケットにしてしまったこと。

1. Trinkle, Tinkle
2. In Walked Bud
3. I Mean You
4. Epistrophy
5. Crepuscule With Nellie

John Coltrane - tenor saxophone
Thelonious Monk - piano
Ahmed Abdul-Malik - bass
Roy Haynes - drums

Recorded on September 11, 1958 at The Five Spot, NYC.

Thelonious Monk / Misterioso

ジャケットデザインが最高。Giorgio De Chirico(ジョルジョ・デ・キリコ)によるもの。よく見ると、キャンバスの下にある右から左へ伸びる謎の人影がある。ジャケットからライブアルバムとは想像しにくいが、ファイブ・スポットでの1958年7月と8月の2つのセッションによるもの。その当時の熱い雰囲気が伝わってくる。なお、8月のセッションは、アルバムThelonious In Actionに分散されている。

このアルバムは、紛れもなくモンクの作品であるが、ジョニー・グリフィンが主役と言ってもいい。6曲目のMisteriosoにおけるグリフィンのソロの後半、モンクはピアノを弾いていない。「あいつに任せたぜ!」ということだ。CD化で最終曲Bye-Ya / Epistrophyが追加になったが、この曲だけがアート・ブレイキーのドラム。モンクのディスコグラフィーにはその記載がないが、本作のWikipediaには表記されている。ブレイキーは、グリフィンがうまくやれるか心配でファイブ・スポットに立ち寄ったのだろうか。ジャケット以上に謎である。

1. Nutty
2. Blues Five Spot
3. Let's Cool One
4. In Walked Bud
5. Just A Gigolo
6. Misterioso
7. Evidence
8. 'Round Midnight
9. Bye-Ya / Epistrophy (Theme)

Johnny Griffin - tenor saxophone (except track 5)
Thelonious Monk - piano
Ahmed Abdul-Malik - bass (except track 5)
Roy Haynes - drums (except tracks 5,9)
Art Blakey - drums (track 9)

Track 8
Recorded on July 9, 1958 at The Five Spot Cafe, NYC.

Tracks 1 - 7 & 9
Recorded on August 7, 1958 at The Five Spot Cafe, NYC.