ライナーノーツ担当はベーシストの翠川敬基。1982年12月付けで、最後にこう書いている。「このアルバムでは、あらゆるニュアンス、音楽の発展が聴きとれる。それは富樫とスティーヴが、絶対的に互いの音楽を認め合っているからに他ならない。むしろ自分にはない表情に触発されて、思わぬ収穫を得ているようにすら見える。デュエットというフォルムは、互いに刺激的でなければ成り立たない形態であるわけで、その意味でも、富樫~スティーヴのデュオはまず考えられる最高のものであるといってよいだろう」。
このアルバムの録音から2年後の1983年9月1日。二人のライブが芝・増上寺の地下で行われた。二人を囲むように椅子が並べられ、演奏が始まる音出しの時にストロボを使わず彼らを撮影した。彼らと一つの空間を共有できたことは、自分にとっての財産である。スティーヴ・レイシー、2004年6月4日他界、享年69。富樫雅彦、2007年8月22日他界、享年67。
1. News From The Bells
2. Twilight
3. Wickets
4. Little Black Bird
5. Retreat
Steve Lacy - soprano saxophone
富樫雅彦 - percussion
Recorded on October 22 & 23, 1981 at King Records Studio No.2, Tokyo.