The Super Jazz Trio / The Standard

よくもこんなアルバムを制作したものだと思ってしまう。大学のジャズ研に1年ほど在籍していれば、選曲できるスタンダードを並べている。つまり、プロの仕事とは思えない。アルバムコンセプトがその通りなのだから、文句の言いようもないのだが。プロのプレイヤーとしては、手癖で演奏できる曲ばかり。まぁ、ジャズ入門者にとって、スタンダード曲に親しむアルバムと言えるので、それも悪くはない。

CD帯には「ベテラン・ミュージシャンならではの安定感で料理している。これぞ、職人芸の極み」と書いてある。ジャズでの「安定感」とは、アマチュアを形容する言葉だ。ジャケット裏に2人のプロデューサー(Fumimaru Kawashima, Yoshio Ozawa)を小さく記載。トミー・フラナガンは日本人に騙されたということだ。

1. Softly, As In A Morning Sunrise
2. A Night In Tunisia
3. Someday My Prince Will Come
4. Autumn Leaves
5. It's All Right With Me
6. Angel Eyes
7. Straight, No Chaser

Tommy Flanagan - piano
Reggie Workman - bass
Joe Chambers - drums

Recorded on February 14, 1980 at The Power Station, NYC.

The Super Jazz Trio / The Super Jazz Trio

GreatとSuperはどちらが上だろうか。The Great Jazz TrioとThe Super Jazz Trioのこと。どちらもセッション・グループ。Greatはメンバーを変えて生き続けたが、オリジナルメンバーでは3年間活動し10枚近いアルバムを残した。Superは2年間で3枚のみ。勝負ありなのだ。

決して、後発だから負けた訳ではない。同じピアノトリオで勝負するなら、先発にはない新鮮さが必要だった。それはプレイヤーの責任では全くなく、プロデューサーの怠慢でしかなかっただろう。柳の下の泥鰌である。ちなみに、最終曲のMilestonesはマイルスではなく、ジョン・ルイスの作品。

1. Pent Up House
2. Condado Beach
3. Let's Call This
4. So Sorry Please
5. Ballad
6. Milestones

Tommy Flanagan - piano
Reggie Workman - bass
Joe Chambers - drums

Recorded on November 21, 1978 at Sound Ideas Studios, NYC.

The Sextet Of Orchestra U.S.A. / Mack The Knife

エリック・ドルフィーが参加している音源を探し回っていた80年代前半。渋谷か新宿のディスクユニオンで、ジャケットにDolphyの文字がある中古LPを見つけ、迷わず購入した。その思いが強かっただけに落胆したのは事実。そもそも、ドルフィーを前面にフィーチャーしたアルバムではないので、これは自分の失敗。ドルフィーは全7曲中の3曲のみに参加。それでもドルフィーらしさを十分に発揮しているのだが、それは練り込まれたアレンジの中にあってである。

岡崎正道氏によるライナーノーツの冒頭で、本作のリーダーであるMichael Zwerin(マイケル・ズワーリン)のコメントを載せている。「このアルバムのアレンジメントは、単なるクルト・ワイルの作品のジャズ化ではない。ワイルのメロディーはジャズのスピリットにあふれている。私は30年代のジャズのかわりにそれらを60年代のものに替えてみただけだ」。ということで、アレンジを楽しむアルバムなのである。なお、CD化はされているが、廃盤状態に近いようだ。

1. Alabama Song
2. Havana Song
3. As You Make Your Bed
4. Mack The Knife
5. Bilbao Song
6. Barbara Song
7. Pirate Jenny

Thad Jones - cornet
Michael Zwerin - bass trumpet
Richard Davis - bass
Connie Kay - drums

Tracks 1 - 3
Eric Dolphy - alto saxophone, bass clarinet
Nick Travis - trumpet
John Lewis - piano
Recorded on January 10, 1964 at A&R Studios, NYC.

Tracks 4 - 7
Jerome Richardson - alto saxophone, bass clarinet
Jimmy Raney - guitar
Recorded on June 1, 1964 at Webster Hall, NYC.