Sonny Rollins / A Night At The Village Vanguard Vol.3

アルバムタイトルはA Night At ...である。だが、3枚のLPで18曲。一晩に18曲の演奏は考えられない。当日は昼と夜の2ステージだった。昼はドナルド・ベイリー&ピート・ラロッカ組、夜はウィルバー・ウェア&エルビン・ジョーンズ組。

事の次第はこうなる。レコード化は夜組みの演奏だけを考えていた。しかし、A Night In Tunisiaに関しては昼組みが充実していたので、この演奏を入れた。ただし、レコード・タイトルはライブの雰囲気を出すためにA Night At Village Vanguardとした。プロデューサーのアルフレッド・ライオン、そしてブルーノートの販売戦略だったのかもしれない。A Day and Night ...では確かに収まりが悪い。

1. All The Things You Are
2. Woody'n You
3. Four
4. I'll Remember April
5. Get Happy
6. Get Happy [alternate master]

Sonny Rollins - tenor saxophone
Wilbur Ware - bass
Elvin Jones - drums

Recorded on November 3, 1957 at The Village Vanguard, NYC.

Sonny Rollins / A Night At The Village Vanguard Vol.2

3枚のLPを2枚のCDに焼き直して発売。その際、録音順、すなわちビレッジ・バンガードでの演奏順に並べ替えられた。ライナーノーツで油井正一氏は、再発プロデューサーのマイケル・カスクーナのポリシーによるものだと書いている。ライブ演奏をそのまま伝えるという意味では、その考えは良く分かる。しかし、そのポリシーを貫くならば、割安の2枚組にすべきであった。カスクーナは、ユーザのことは気にしなかったのである。さて、この日のライブは聴きどころ満載なのだが、ポイントは2つ。

1つ目は、Softly, As In A Morning Sunriseを同じメンバーで2度演奏していること。2度目の演奏は、ウィルバー・ウェアのベースが見事に弾けていて躍動感がある。休憩時間に、ロリンズがもっと自由にベースを弾けよ、もう1回やるぞ、とウェアに気合を入れたのだろう。オリジナルLPでは2度目が採用された。

2つ目は、メンバーが異なる午後と夜のA Night In Tunisiaの演奏。ドラムが午後はピート・ラロッカ、夜はエルビン・ジョーンズ。ラロッカの迫力に軍配。夜はエルビンに替わるので、ラロッカは相当に対抗意識があったはず。オリジナルLPはラロッカを採用。61年前のライブ。聴くたびに新しい発見がある。

CD
1. What Is This Thing Called Love?
2. Softly, As In A Morning Sunrise [take 2]
3. Sonnymoon For Two
4. I Can't Get Started
5. I'll Remember April
6. Get Happy
7. Striver's Row
8. All The Things You Are
9. Get Happy [short version]

Sonny Rollins - tenor saxophone
Wilbur Ware - bass
Elvin Jones - drums

LP
1. A Night In Tunisia
2. I've Got You Under My Skin
3. Softly, As In A Morning Sunrise
4. What Is This Thing Called Love

Sonny Rollins - tenor saxophone
Wilbur Ware - bass
Elvin Jones - drums
Don Bailey - bass (track 2)
Pete La Roca - drums (track 2)

Recorded on November 3, 1957 at The Village Vanguard, NYC.

Sonny Rollins / A Night At The Village Vanguard

そもそも、Vol.1から3まで継続してリリースする予定のアルバムではなかった。Blue Noteが割り当てた番号を見れば明らか。Vol.1は1581、Vol.2が61014でVol.3は61015である。

1957年11月3日。ロリンズは大きな賭けに出た。ピアノを入れない、サックス、ベース、ドラムのトリオでのライブ録音。記録によれば、午後と夜の2ステージで19曲を演奏。演奏の不出来か、録音の不手際か分からないものの、その中の16曲がアルバムとして残された。厳選された6曲がVol1に。残りの4曲と6曲がVol.2とVol.3に分散された。

LPのVol.1では、ロリンズがメンバーや曲目紹介する。そんな前口上をLPの溝に刻んだことで、より一層の臨場感を醸し出したアルバムになったのである。だが、しかし・・・。

CD
1. A Night In Tunisia
2. I've Got You Under My Skin
3. A Night In Tunisia
4. Softly, As In A Morning Sunrise [take 1]
5. Four
6. Woody'n You
7. Old Devil Moon

Sonny Rollins - tenor saxophone
Wilbur Ware - bass
Elvin Jones - drums
Don Bailey - bass (tracks 1,2)
Pete La Roca - drums (tracks 1,2)

LP
1. Old Devil Moon
2. Softly, As In A Morning Sunrise
3. Striver's Row
4. Sonnymoon For Two
5. A Night In Tunisia
6. I Can't Get Started

Sonny Rollins - tenor saxophone
Wilbur Ware - bass
Elvin Jones - drums
Don Bailey - bass (track 5)
Pete La Roca - drums (track 5)

Recorded on November 3, 1957 at The Village Vanguard, NYC.