Sonny Rollins / Easy Living

3つのポイントがあるアルバム。まずタイトル。5曲目のEasy Livingはスタンダードナンバー。収録曲からタイトルを付けることは多いが、ロリンズはコンセプトとしてEasy Livingがまず浮かび、この曲を入れることにしたのだろう。エレクトリック・サウンドの導入に批判がくることを予想して、「まぁ、気ままにいこうよ」とのメッセージを贈ろうとしたのだ。

つぎは、スティーヴィー・ワンダー作のヒット曲Isn't She Lovely?を1曲目に置き、簡潔なメッセージに「楽しくやろうよ」的な意味合いを付け加えようとした。さらに、ジャケットには自身の写真を使わず、自然のイメージを出すため、ありふれた雑木林のクローズアップ写真をさりげなく配置。つまり、ロリンズは、自分が今やりたいジャズを分かって欲しいという気持ちがあったに違いない。

1. Isn't She Lovely?
2. Down The Line
3. My One And Only Love
4. Arroz Con Pollo
5. Easy Living
6. Hear What I'm Saying

Sonny Rollins - tenor saxophone, soprano saxophone
Charles Icarus Johnson - guitar (tracks 1,2)
George Duke - piano, electric piano
Paul Jackson - electric bass (tracks 2-4,6)
Byron Miller - electric bass (track 1)
Tony Williams - drums
Bill Summers - congas (track 1)

Recorded on August 3, 4, 5 & 6, 1977 at Fantasy Studios, Berkeley, CA.

Sonny Rollins / The Way I Feel

ご機嫌な感じのIsland Ladyで幕を開けるアルバム。ロリンズはいつものように豪快にサックスを吹くのだが、いま一つ炸裂し切れていない感じ。それは、バックの音が多過ぎるからだ。録音データを見ると、9人編成のブラス・セクションが全7曲中の5曲に入っている。録音は1976年8月と10月。日付を特定していないということは、ブラスはリミックスされたのだろう。プロデューサーはオリン・キープニュース。

輸入盤CDのジャケット裏に、ブラスのアレンジはWade Marcus(ウェイド・マーカス)と記載されている。キープニュースは、ブラスの仕上げをロリンズ抜きでマーカスに任せたということだろうか。そんな情報を仕入れてしまうと、Island Ladyでご機嫌になる聴き手が、だんだん不機嫌になってしまう。The Way I Feelの「I」ってロリンズではなくキープニュースなのか?

1. Island Lady
2. Asfrantation Woogie
3. Love Reborn
4. Happy Feel
5. Shout It Out
6. The Way I Feel About You
7. Charm Baby

Sonny Rollins - tenor saxophone
Lee Ritenour - guitar
Patrice Rushen - piano, electric piano, clavinet, synthesizer
Charles Meeks - electric bass (tracks 1,2,4-5)
Alex Blake - bass (tracks 3,6,7)
Billy Cobham - drums
Bill Summers - conga, percussion

Tracks 1, 2, 4, 5 & 6 - brass section
Bill Green - piccolo, flute, soprano saxophone
Oscar Brashear, Gene Coe, Chuck Findley - trumpet
George Bohanon, Lew McCreary - trombone
Alan Robinson, Marilyn Robinson - French horn
Don Waldrop - tuba

Recorded in August & October, 1976 at Fantasy Studios, Berkeley, CA.

Sonny Rollins / Nucleus

1966年5月にアルバムEast Broadway Run Downを録音。6年間の空白をおいて、Next Album(72年7月)を録音。その後、Horn Culture(73年6-7月録音)、In Japan(73年9月ライブ)、The Cutting Edge(74年7月ライブ)、Nucleus(75年9月録音)と完全復帰を果たしたロリンズ。ただし、空白期間の66年11月にオーストリア、68年9月にはデンマークでライブ演奏しているので、実質的には、ジャズの世界から身を引いたのは4年間。活動休止は3度目の出来事。

アルバムタイトルの由来。ロリンズは、野球選手Donald Newcombe(ドン・ニューカム)と顔が似ていると良く言われていたらしい。で、ロリンズのニックネームはニューカム。57年9月には、アルバムNewk's Timeを録音。エムトゥーメがさらに工夫してNucleusという作品を書いた。このアルバムの最大の聴きどころは、一曲目のLucille。学生時代に何度も練習した。不思議なことに、ロリンズはこの曲をほとんど演奏していない。Lucilleとはロリンズの奥さん(2004年11月27日に76歳で他界)の名前。

1. Lucille
2. Gwaligo
3. Are You Ready?
4. Azalea
5. Newkleus
6. Cosmet
7. My Reverie

Sonny Rollins - tenor saxophone, soprano saxophone
Bennie Maupin - tenor saxophone, bass clarinet, saxello, lyricon
Raul de Souza - trombone
George Duke - piano, electric piano, synthesizer
Chuck Rainey - electric bass
Bob Cranshaw - electric bass
Roy McCurdy - drums
Eddie Moore - drums
Mtume - congas, percussion

Recorded on September 2, 3, 4 & 5, 1975 at Fantasy Studios, Berkeley, CA.