身構えずに正座することもなく、ゆったりとピアノトリオを聴けるアルバムは意外に少ない。エバンスやキースなどを聴くときは、何かをしながらBGM的に聴く自分は許せない。レイ・ブライアントは全くの逆で、まぁ一杯やりながら気軽に聴いてくれよと彼自身が語っているようなのだ。
本作もそんな雰囲気で、インタープレイがどうだとか、原曲の解釈の仕方がなどと語る必要一切なし。素直に楽しめるアルバムで、70年代後半にリリースしたことも重要。ジャズ界の様々な動きに捉われず、ブライアントは自分のやりたいジャズをやっていたということ。だが、せめてジャケットだけは工夫して欲しかった。さらにデビューアルバムでもないのに、タイトルにHere'sを入れるとは…。ブライアントは、そんなことさえ気にしない性格なのかもしれない。
1. Girl Talk
2. Good Morning Heartache
3. Manteca
4. When Sunny Gets Blue
5. Hold Back Mon
6. Li'l Darlin'
7. Cold Turkey
8. Prayer Song
Ray Bryant - piano
George Duvivier - bass
Grady Tate - drums
Recorded on January 10 & 12, 1976 at RCA Recording Studios, NYC.