Ray Bryant / Ray Bryant Trio

最近は「癒し」という言葉でごまかされることが多い。そもそも、この字をちゃんと書ける人はどのくらいいるのだろうか。言葉を文字にできなければ、何も癒されない。

本作の録音は、モンクのアルバムThelonious Himselfと同時期で、どちらも1957年4月。モンクがある種の革命を起こそうとしていた時に、レイ・ブライアントはモダンジャズの主流を歩んでいたとも言える。どちらが良いとか悪いとかいう話ではない。極端かも知れないが、芸術とエンターテイメント。ゆったりと気持ちを落ち着かせてジャズを楽しめる要素が詰まっているアルバム。ジャケットのブライアントが語っている。「まぁ、一服しながら聴いてくれよ。癒されたなんて言われたら、気持ち悪いぜ」と。

1. Golden Earrings
2. Angel Eyes
3. Blues Changes
4. Splittin'
5. Django
6. The Thrill Is Gone
7. Daahoud
8. Sonar

Ray Bryant - piano
Ike Isaacs - bass
Specs Wright - drums

Recorded on April 5, 1957 at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, New Jersey.

Ray Bryant / Ray Bryant Trio [epic]

1956年4月から5月の3つのセッションをまとめたレイ・ブライアントの初リーダーアルバム。レーベルはエピック。ブライアント24歳。タイトルは「トリオ」だが、コンガが2曲に加わっているので、正確には「トリオ+1」。翌57年、プレスティッジから同じタイトルのアルバムがリリース。

正直に言えば、この時点では何の特徴もないブライアントのピアノ。実はそれがいいのだ。ゆったりとして聴き入ることができる。ただし、このジャケットは許されない。アルバムの内容を台無しにしている。

1. Cubano Chant
2. Off Shore
3. Well, You Needn't
4. Cry Me A River
5. In A Mellow Tone
6. You Are My Thrill
7. A Night In Tunisia
8. Goodbye
9. Philadelphia Bound
10. Pawn Ticket
11. The Breeze And I
12. It's A Pity To Say Goodnight

Tracks 1, 5, 6, 7 & 11
Ray Bryant - piano
Wyatt Ruther - bass
Joe Jones - drums
Candido - congas (tracks 1,7)
Recorded on May 3, 1956 in NYC.

Tracks 2, 4, 8 & 9
Ray Bryant - piano
Wyatt Ruther - bass
Kenny Clarke - drums
Recorded on April 3, 1956 in NYC.

Tracks 3, 10 & 12
Ray Bryant - piano
Wyatt Ruther - bass
Osie Johnson - drums
Recorded on May 11, 1956 in NYC.