Ry Cooder / Ry Cooder

ライ・クーダーのデビューアルバム。1970年12月にリリース。Ry Cooderのタイトルでは混乱するため、Ry Cooder Firstと呼ばれていて、国内盤は『ライ・クーダー登場』である。70年の時点で、ライは様々な音楽要素を吸収していたことが分かる。ライ自身の作品は7曲目のAvailable Spaceのみ。しかも、インストゥルメンタルである。

ジャケットの写真が決まっている。ライが寄りかかっている物体は何だろうと調べてみたら、"Thanks to Airstream for their 1937 trailer."と書いてあった。このトレーラーで音楽の旅をするんだ、と意味だろうか。

1. Alimony
2. France Chance
3. One Meat Ball
4. Do Re Mi
5. Old Kentucky Home
6. How Can A Poor Man Stand Such Times And Live?
7. Available Space
8. Pig Meat
9. Police Dog Blues
10. Goin' To Brownsville
11. Dark Is The Night

Van Dyke Parks - piano
Ry Cooder - guitar, mandolin, bass
Chris Ethridge - bass
Richie Hayward - drums
Roy Estrada - bass
Milt Holland - drums, percussion
John Barbata - drums
Max Bennett - bass
Bobby Bruce - violin

Released in December 1970.

Roy Haynes / We Three

ドラマー、ロイ・ヘインズ名義のアルバムであるが、これぞ1950年代後半のジャズと言えるピアノトリオ。フィニアス・ニューボーンの絶妙なピアノのタッチに、ヘインズのドラムが空間を切り裂き、チェンバースのベースが地を這う。こういうアルバムを聴くと、ジャズに出会えて良かったとつくづく思う。

モノトーンのジャケット。3人の上半身しか写っていないので、ヘインズとニューボーンは椅子に腰かけたショットだと勝手に思っていた。いろいろと調べてみると、ポール・チェンバースは190cmを超える体格だったらしい。確かに、彼のリーダーアルバムWhims Of Chambersのジャケットを見ると、ウッドベースに近い身長であることがわかる。We Three、三位一体だけど、チェンバースはでかすぎるから、全身を撮るなよとヘインズの注文があったのだろう。ニューボーンは、どうでいいやとほくそ笑んでいる感じだ。ちなみに、ヘインズは現在95歳で今も健在のようだ。

1. Reflection
2. Sugar Ray
3. Solitaire
4. After Hours
5. Sneakin' Around
6. Our Delight

Phineas Newborn - piano
Paul Chambers - bass
Roy Haynes - drums

Recorded on November 14, 1958 at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, New Jersey.

Ron Carter / Orfeu

スイングジャーナル誌ゴールド・ディスクに選定されたロン・カーターのアルバム。ウッドベースをやってきた自分としては、ベーシスト名義のアルバムがゴールド・ディスクになったので迷わず購入した。以下は、1999年4月20日付けでのカーター自身による解説の冒頭(聴き手:児山紀芳氏)。

「今回のアルバムでは南アメリカ、ブラジルのよく知られている歌いたくなるような素晴らしいメロディーを持つ曲とか私のオリジナル曲に比重がかかっている。昨今のジャズにはメロディーらしいメロディーがあまり出てこなくて、みんなが歌いたくなるような曲に出会うチャンスは滅多にない。その点、ブラジルの曲はリズムもメロディーも格別だし、今回は旋律の美しい、いい曲が主役なんだ」。本作に対するロンのコンセプトは理解できるが、旋律重視に偏り過ぎてエネルギー軽視になってしまった。2000年を迎える頃、ジャズの一つの流れだったのかも知れない。それを表現したので、ゴールド・ディスクになったのだろう。今だから言えるのかも知れないが、単なるBGMジャズでしかない。

1. Saudade
2. Manha De Carnaval
3. Por-Do-Sol
4. Goin' Home
5. 1:17 Special
6. Obrigado
7. Samba De Orfeu

Houston Person - tenor saxophone
Bill Frisell - guitar
Stephen Scott - piano
Ron Carter - bass
Payton Crossley - drums
Steve Kroon - percussion

Recorded in February 1999.