Oscar Peterson / We Get Requests

タイトルWe Get Requests(リクエスト承ります)とジャケットが見事に一致。オスカー・ピーターソンが、会場からのリクエストに応えようとしている感じ。だが、本作はスタジオ録音。確かにジャケットにはLIVEの文字はないが、工業製品ならば訴えられても仕方ない。ライナーノーツで、油井正一氏が次のように書いている。

「ピーターソン・トリオは、ナイト・クラブで演奏するとき、よく流行中のヒット曲のリクエストをうけるという。お客が彼をからかっているのではない限り、進んで演奏するそうだ。大先輩のアート・テイタムと同様、こうしたものの取り扱い方がすぐれているピーターソン・トリオは、ヴァーヴへの置きみやげに、そうしたレパートリーを集めた本アルバムを残した」。ピーターソンは、本作録音後の65年にドイツMPSレコードに移籍。なぜにヴァーヴを去ったのか。リクエストに応える芸人稼業は卒業と判断したに違いない。40歳になったばかりのピーターソンの決断。

1. Quiet Nights Of Quiet Stars (Corcovado)
2. Days Of Wine And Roses
3. My One And Only Love
4. People
5. Have You Met Miss Jones?
6. You Look Good To Me
7. The Girl From Ipanema
8. D & E
9. Time And Again
10. Goodbye J.D.

Oscar Peterson - piano
Ray Brown - bass
Ed Thigpen - drums

Recorded on October 19 and November 20, 1964 at RCA Studios, NYC.

Oliver Nelson / Straight Ahead

エリック・ドルフィーのアルバムを追いかけていた時期があった。40年以上前、社会人になった頃。20枚に満たないドルフィーのリーダーアルバムは、それほど時間をかけずに揃えることができた。次は、リーダーでなく参加アルバム。コルトレーンとミンガスのアルバムは所有し聴き込んでいたので、それ以外となると、そう多くはない。その中の一枚。間違いなく、オリバー・ネルソンのリーダーアルバムではあるものの、聴き終わって脳裏に残るのは、ドルフィーのアルト、バスクラ、フルートの音色。

ジャケットには明確にwith ERIC DOLPHYと記載されているので、ネルソンとしても狙い通りだったのかも知れない。ネルソンの水平振幅、ドルフィーの垂直振幅。それぞれのアドリブがぶつかることなく交差して展開されていく。まさしくStraight Ahead。ひたむきな二人の演奏に酔いしれるのだ。ところで、本作録音の1週間前、1961年2月22日、ドルフィーはアビー・リンカーンのセッションに参加し、そのアルバムは本作と同名のStraight Aheadとなった。それぞれのタイトル曲Straight Aheadは、ネルソン、ならびにリンカーン自身による作品である。真っ正面を向いていたジャズの時代。

1. Images
2. Six And Four
3. Mama Lou
4. Ralph's New Blues
5. Straight Ahead
6. 111-44

Oliver Nelson - alto saxophone (tracks 1-3,5,6), tenor saxophone (tracks 3,4), clarinet (track 4)
Eric Dolphy - alto saxophone (tracks 2,3,5), bass clarinet (tracks 1,4,6), flute (track 3)
Richard Wyands - piano
George Duvivier - bass
Roy Haynes - drums

Recorded on March 1, 1961 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey.

Pete Seeger / The Essential

ピート・シーガーは2014年1月27日に他界。享年94。CD帯から。「アメリカ・ポピュラー音楽界の偉大なる先達、歌の発見者であり民謡の採譜者、コンサート・パフォーマー、ピート・シーガーの知る恰好の作品集」。

「天使のハンマー」、「グッドナイト・アーリン」、「漕げよマイケル」、「わが祖国」、「グアンタナメラ」、「花はどこへ行った」、「ターン・ターン・ターン」、「勝利を我らに」。小学生の頃に馴染んでいたこれらの曲は、ピート・シーガーが広めていったものだ。今聴いても心に染み入る。バンジョーの響きが懐かしい。

1. If I Had A Hammer
2. Goodnight Irene
3. Barbara Allen
4. Talking Union
5. Wimoweh (Mbube)
6. John Henry
7. Little Boxes
8. Michael Row The Boat Ashore
9. This Land Is Your Land
10. Guantanamera
11. Where Have All The Flowers Gone?
12. Turn! Turn! Turn! (To Everything There Is A Season)
13. The Bells Of Rhymney
14. Waist Deep In The Big Muddy
15. We Shall Overcome

Released on June 22, 2005.