森山威男 / Mana

ようやく入手できたアルバム。1994年4月24日、岐阜県多治見市Studio F(藤井医院の敷地に建てられたプライベート・スタジオ兼コンサート会場)での録音。入手が容易だったアルバム「虹の彼方に」が4月23日と24日の録音。なぜか本作「Mana」は市場にあまり流れて来なかった。所有するCD「虹の彼方に」には、再版であることが記載されている。「Mana」に対して、コンセプトが明確で売り上げを伸ばしたのだろう。

不思議なのは、「Mana」が24日のみに対して「虹の彼方に」が23日と24日の演奏で構成されていること。両日はどんな演奏順序だったのか。そして、それを2枚のアルバムにどんな狙いで振り分けたのだろう。「虹の彼方に」のライナーノーツは藤井医師が担当。2日間のコンサート直後の打ち上げで、スタジオの床に座り込んだ森山が「この演奏で自分は燃えつきました。今度こそ最後です」と語ったようだ。2枚のアルバムを続けて聴くと、森山の心境がよくわかる。

1. Sunrise
2. Dr. Fujii
3. Barjo
4. Exchange
5. Mana

井上淑彦 - soprano saxophone, tenor saxophone
林栄一 - alto saxophone
板橋文夫 - piano
吉野弘志 - bass
森山威男 - drums

Recorded on April 24, 1994 at Studio F, Tajimi-shi, Gifu.

森山威男 / 虹の彼方に

「平成」がいよいよ終わろうとしているが、「昭和」の匂いを感じさせるアルバム。最初と最後に「虹の彼方に」を配置し、真ん中に「見上げてごらん夜の星を」。その前後には、ジャズピアニスト板橋文夫が1981年に録音したソロアルバムから「わたらせ」と「グッドバイ」。そして、ジャケットの写真は昭和そのもの。CDのラベルもモノトーン。

録音データからはスタジオ録音と思ってしまうが、Studio Fとは、岐阜県多治見市の藤井医院の敷地に建てられたプライベート・スタジオ兼コンサート会場。このアルバムはライブ演奏。2015年3月25日、森山グループでテナーとソプラノを長年吹いてきた井上淑彦が永眠。「見上げてごらん夜の星を」のテナーが妙に切なくなる。

1. 虹の彼方に
2. わたらせ
3. 見上げてごらん夜の星を
4. グッドバイ
5. 虹の彼方に

井上淑彦 - soprano saxophone, tenor saxophone
林栄一 - alto saxophone
板橋文夫 - piano
吉野弘志 - bass
森山威男 - drums

Recorded on April 23 & 24, 1994 at Studio F, Tajimi-shi, Gifu.

森山威男 / Live At Lovely

ようやく手に入れることができたアルバム。中古CDで1,580円。Amazonで最新状況を調べたら、新品が137,445円とあった。誰が買うのだろうか。それとも、森山威男のドラムセット付きなのか。

ディスクユニオンのレーベルDIWからのリリース。中古CDながら帯が付いていた。「復活、森山威男7年振りの新作。激情と哀愁のライブ」。前作Green Riverは1984年7月6日のドイツ・ニュルンベルクでのライブアルバム。録音日で見ると6年5ヶ月振りということになる。ジャケット内にある録音データには、全5曲が板橋文夫の作品と書いている。しかしながら、4曲目Hush-A-Byeはユダヤ民謡にSammy Fain(サミー・フェイン)が手を加えた曲。ディスクユニオンらしからぬミス。ちなみに、2曲目 Wataraseは板橋文夫のアルバムWATARASEに同じ音源が収録されている。

1. Sunrise
2. Watarase
3. Exchange
4. Hush-A-Bye
5. Goodbye

井上淑彦 - tenor saxophone
板橋文夫 - piano
望月英明 - bass
森山威男 - drums

Recorded on December 28 &29, 1990 at Jazz inn Lovely, Nagoya.