コルトレーンのディスコグラフィーを見ると、ミルト・ジャクソンとの共演は、1951年のディジー・ガレスピー名義のセッションが中心。従って、59年1月録音のこのアルバムは、久し振りの二人の顔合わせということになる。だが、ここではヴァイブとサックスの火花散る共演になっていない。1月15日、たった1回だけでのセッションでは、噛み合っているものの、刺激し合っているとは思えない。
二人のインタープレイを引き出すならば、互いによく知っているスタンダード曲を中心にして勝負すべきだった。一流のバック陣を揃えたにもかかわらず、印象にあまり残らない出来となってしまったのは、プロデューサーの選曲ミス。ところで、Bagsとは「目の下のたるみ」を意味し、ジャクソンのニックネーム。ジャケットでは眼鏡をかけているので分かりにくいが、2年前に録音されたアルバムPlenty, Plenty Soulのジャケットを見ると、何となく理解できる。でも、こんなニックネームに本人はどう感じていたのだろうか。タイトル曲Bags & Traneは彼の作品なので、意外と気に入っていたのかも知れない。
1. Bags & Trane
2. Three Little Words
3. The Night We Called It A Day
4. Be-Bop
5. The Late Late Blues
Milt Jackson - vibraphone
John Coltrane - tenor saxophone
Hank Jones - piano
Paul Chambers - bass
Connie Kay - drums
Recorded on January 15, 1959 at Atlantic Studios, NYC.