Milt Jackson / Bags & Trane

コルトレーンのディスコグラフィーを見ると、ミルト・ジャクソンとの共演は、1951年のディジー・ガレスピー名義のセッションが中心。従って、59年1月録音のこのアルバムは、久し振りの二人の顔合わせということになる。だが、ここではヴァイブとサックスの火花散る共演になっていない。1月15日、たった1回だけでのセッションでは、噛み合っているものの、刺激し合っているとは思えない。

二人のインタープレイを引き出すならば、互いによく知っているスタンダード曲を中心にして勝負すべきだった。一流のバック陣を揃えたにもかかわらず、印象にあまり残らない出来となってしまったのは、プロデューサーの選曲ミス。ところで、Bagsとは「目の下のたるみ」を意味し、ジャクソンのニックネーム。ジャケットでは眼鏡をかけているので分かりにくいが、2年前に録音されたアルバムPlenty, Plenty Soulのジャケットを見ると、何となく理解できる。でも、こんなニックネームに本人はどう感じていたのだろうか。タイトル曲Bags & Traneは彼の作品なので、意外と気に入っていたのかも知れない。

1. Bags & Trane
2. Three Little Words
3. The Night We Called It A Day
4. Be-Bop
5. The Late Late Blues

Milt Jackson - vibraphone
John Coltrane - tenor saxophone
Hank Jones - piano
Paul Chambers - bass
Connie Kay - drums

Recorded on January 15, 1959 at Atlantic Studios, NYC.

Milt Jackson / Vibrations

勝手に命名「アトランティック ジャズの巨匠ヘンテコ・ジャケット4連続シリーズ」の第2弾。原盤LPの番号はSD 1417で、1964年リリース。60年2月と61年3月の3回のセッションをカップリングしているが、64年までリリースを差し控えた理由は不明。

CD帯から。「ブラスやボーカルのアンサンブルを従えて、ヴァイブ奏者のミルト・ジャクソンがブルージーな魅力をいっぱいにふりまいてゆく、ミルトとしては異色の傑作アルバムである」。傑作であるならば、異色にはならないと思う。管楽器に厚みがあり過ぎて、ヴァイブ本来の余韻を味わえない。バックコーラスも無意味。

1. Darbin And The Redd Fox
2. Algo Bueno
3. Mallets Towards None
4. Blue Jubilee
5. Vibrations
6. Let Me Hear The Blues
7. Melancholy Blues
8. Sweet Georgia Brown

Milt Jackson - vibraphone
Jimmy Heath - tenor saxophone (tracks 1-4,6,8)
Tate Houston - baritone saxophone (tracks 1-4,8)
Henry Boozier - trumpet (tracks 1-4,8)
Tom McIntosh - trombone (tracks 1-4,8)
Kenny Burrell - guitar (tracks 5,7)
Tommy Flanagan - piano
Alvin Jackson- bass (tracks 1-4,6,8)
George Duvivier - bass (tracks 5,7)
Connie Kay - drums

Tracks 1, 2, 6 & 8
Recorded on February 24, 1960 in NYC.

Tracks 3 & 4
Recorded on February 23, 1960 in NYC.

Tracks 5 & 7
Recorded on March 14, 1961 in NYC.

Milt Jackson / Opus De Jazz

ミルト・ジャクソンのヴァイブにフランク・ウェスのフルートが絡んでくる。収録された全4曲は、この二人の作品ではない。しかしながら、3曲のタイトルにOpusが付く。それほど無理に構えた企画ではなく、Opusというキーワードでセッションが始まったのではないか。

Opusとはラテン語で「作品」とのこと。Operaと同語源らしい。では、Opusをキーワードとした発案者は?そんなことを頭の中で描きながら、ゆったりと浸れる作品Opus De Jazzである。

1. Opus De Funk
2. Opus Pocus
3. You Leave Me Breathless
4. Opus And Interlude

Milt Jackson - vibraphone
Frank Wess - tenor saxophone, flute
Hank Jones - piano
Eddie Jones - bass
Kenny Clarke - drums

Recorded on October 28, 1955 in NYC.