森山威男 / Live At Lovely

ようやく手に入れることができたアルバム。中古CDで1,580円。Amazonで最新状況を調べたら、新品が137,445円とあった。誰が買うのだろうか。それとも、森山威男のドラムセット付きなのか。

ディスクユニオンのレーベルDIWからのリリース。中古CDながら帯が付いていた。「復活、森山威男7年振りの新作。激情と哀愁のライブ」。前作Green Riverは1984年7月6日のドイツ・ニュルンベルクでのライブアルバム。録音日で見ると6年5ヶ月振りということになる。ジャケット内にある録音データには、全5曲が板橋文夫の作品と書いている。しかしながら、4曲目Hush-A-Byeはユダヤ民謡にSammy Fain(サミー・フェイン)が手を加えた曲。ディスクユニオンらしからぬミス。ちなみに、2曲目 Wataraseは板橋文夫のアルバムWATARASEに同じ音源が収録されている。

1. Sunrise
2. Watarase
3. Exchange
4. Hush-A-Bye
5. Goodbye

井上淑彦 - tenor saxophone
板橋文夫 - piano
望月英明 - bass
森山威男 - drums

Recorded on December 28 &29, 1990 at Jazz inn Lovely, Nagoya.

森山威男 / Green River

CD帯によるアルバム紹介がコンパクトによくまとまっている。「和ジャズ最強ドラマーの一人、森山威男が1984年のドイツで大暴れ!ニュルンベルクで行われたジャズ祭に井上淑彦、榎本秀一、望月英明を従えハードコアなピアノレス・カルテットで出演した強烈なパワーで圧倒するライブ作品!」。

全7曲54分。会場からの拍手もライブ演奏の成功を示している。少し気になるのが、アンコールはなかったのだろうか。森山らの大熱演に観客も疲れ果てたということか。ライナーノーツで、岩浪洋三氏(LP、1984年11月付け)も田中英俊氏(CD、2019年12月付け)も、そのことに全く触れていない。

1. Ta-Ke
2. Night Story
3. Gradation
4. Green River
5. Tohku
6. Non Check
7. Fields

井上淑彦 - tenor saxophone, soprano saxophone
榎本秀一 - flute, soprano saxophone, tenor saxophone
望月英明 - bass
森山威男 - drums

Recording on July 6, 1984 at The East-West Jazz Festival, Nuernberg, Germany.

森山威男 / East Plants

オリジナルLPは1983年にVapからリリース。もちろん所有していたが、CD化をずっと待ち望んでいた。UKの名門BBEレコードが「J-Jazz: deep modern jazz from Japan 1969-1984'」として編纂し、このアルバムがUKからリリースされた。逆輸入の形で解説書付き国内盤も発売されたが、割高なので輸入盤を購入。解説は当然ながら英語であるが、オンラインOCRとGoogle翻訳の力を借りて全文を訳した。このシリーズを編纂したTony Higginsは森山の経歴を詳細に説明し、East Plantsの分析も次のように非常に優れている。

「森山と井上淑彦のアレンジで、East Plantsは洗練された特質ながらもシンプルで美しく演出されています。忙しすぎたり雑然とした感じはありません。間(ま)と空気、速度とエネルギーがすべて微妙なバランスで存在しています。私の考えでは、これらすべては当時の最も精巧で洗練されたジャズアルバムの1つであり、エンジニアリングとプロダクションの品質は格別で、そして控えめながらもインパクトを与えるスタイリッシュなアートワークである」。

さらに、2018年のCD発売に際して、森山のコメントが載っている。日本語から英語、そして日本語という訳なので、微妙にニュアンスが違うかも知れない。

「私はほとんどすべての人から影響を受けています。クラシック、ポピュラー音楽、童謡、演歌、詩吟など様々なジャンルから影響を受けてきました。映画や演劇にも影響を受けました。ドラマーに関しては、エルビン・ジョーンズの魅力にとても感動しました。私にとって彼の音楽は民俗音楽のように聞こえます。音符を見てもわからない。日本の民謡を楽譜で表現するのと同じです。そうなると、元の民謡のテクスチャが崩れてしまいます。楽譜は同じ情報を多くの人と共有するのに便利なツールですが、自分の音楽の特徴、その響きや音色などを誰かに伝えるには不便なツールです。一緒に演奏しながら相手の魅力を発見し、お互いの喜びを分かち合うのが嬉しいのです。私は73歳を過ぎました。これまで自分でプレーできたことに感謝しています」。

二人のコメントに付け加えることは何もない。

1. East Plants
2. Ta-Ke
3. Ka-Ge-Lo-U
4. Ka-Ze
5. Fields
6. To-O-Ku

井上淑彦 - tenor saxophone, soprano saxophone
榎本秀一 - tenor saxophone, soprano saxophone
望月英明 - bass
森山威男 - drums
定成庸二 - percussion

Recorded on September 8 & 9, 1983.