Lee Morgan / Search For The New Land

大ヒットを放ったアルバムThe Sidewinder(1963年12月録音)の次の作品(64年2月録音)。前作をファンキー・ジャズと呼べば、本作がモード・ジャズということになる。わずか3ヶ月の間に、大きく舵を切った。では、サイドワインダーの反響がそうさせたのだろうか。ライナーノーツで、原田和典氏が的確に指摘している。

『本作は64年2月に録音された。つまり、この時点で「ザ・サイドワインダー」は発売されていないし、まさかそれがジャズとしては異例のベスト・セラーになるとは当のモーガンですら予想していなかったに違いない。歴史に「もし」「たら」はあり得ないけれど、万が一「ザ・サイドワインダー」がヒットしていなければ、モーガンにはよりモーダルでダークな方向に歩みを進めるという選択肢もあったはずだ』。タイトルだけでなく、ジャケットを眺めているとモード・ジャズへの決意の表情とも思えてくる。

1. Search For The New Land
2. The Joker
3. Mr. Kenyatta
4. Melancholee
5. Morgan The Pirate

Lee Morgan - trumpet
Wayne Shorter - tenor saxophone
Grant Green - guitar
Herbie Hancock - piano
Reggie Workman - bass
Billy Higgins - drums

Recorded on February 15, 1964 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey.

Lee Morgan / The Sidewinder

Netflixでドキュメンタリー映画I CALLED HIM MORGAN(私がモーガンと呼んだ男)を観て、CD棚から取り出したアルバム。「私が殺したリー・モーガン」という邦題も付いているが、内容から原題通りの「モーガンと呼んだ」が適している。

全5曲、モーガンの作品。アルバムが出た当時は、ジャズ・ロックというジャンルで呼ばれ賛否両論があったらしい。しかし、間違いなく60年代を引っ張る牽引力を持っていた。マイルスはモーガンをかなり意識していたようだ。このアルバムThe Sidewinderには、マイルスも「やられた!」と思ったに違いない。裏返せば、マイルスが一念発起するきっかけになった一枚とも言える。

1. The Sidewinder
2. Totem Pole
3. Gary's Notebook
4. Boy, What A Night
5. Hocus-Pocus

Lee Morgan - trumpet
Joe Henderson - tenor saxophone
Barry Harris - piano
Bob Cranshaw - bass
Billy Higgins - drums

Recorded on December 21, 1963 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey.

Lee Morgan / lee-way

ジャケットが堪らない。オレンジを基調に、少し斜めに切り抜いたモーガンの写真。そして、タイトルlee-wayとLee Morganの白抜き文字。リーモーガン作のThe Lion And The Wolffは、ブルーノートのアルフレッド・ライオンと写真家のフランシス・ウルフのこと。この曲を含めて、全曲どれも理屈抜きにカッコいい。

全4曲で約40分。つまり、参加メンバー全員が、納得のいく演奏ができたということ。曲数が多いと、リーダーもしくフロント2管中心の演奏になってしまい、バックの3人は、まさしくバックに徹しなければならない。タイトルはlee-wayだが、内容はall-wayなのだ。

1. These Are Soulful Days
2. The Lion And The Wolff
3. Midtown Blues
4. Nakatini Suite

Lee Morgan - trumpet
Jackie McLean - alto saxophone
Bobby Timmons - piano
Paul Chambers - bass
Art Blakey - drums

Recorded on April 28, 1960 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey.