Lee Morgan / Introducing Lee Morgan

ブルーノートからリリースされたリー・モーガンのデビュー作Indeed!の翌日に録音。本作はサヴォイから。この翌月にはLee Morgan Sextet Vol.2をブルーノートで録音。当時、リー・モーガンはレコード会社とどういう契約を結んでいたのだろうか。本作に限って言えば、そもそもがハンク・モブレー名義のアルバムとして録音したと思われる。1曲目がモブレー作のHank's Shoutで始まるし、ジャケットを良く見れば、With Hank Mobley Quintetとある。つまり、モーガンはゲストプレイヤーとして参加したのだ。

しかし、サヴォイはモーガンの勢いに乗じて、モーガン名義のアルバムに変えてしまった。モーガンより8歳年上のモブレーは、まぁ売れればいいよという寛大な態度をとったのだろう。「モーガンって奴は凄いな、好きなようにペットを吹けばいいさ」と。そんなセッションではなかったのだろうか。

1. Hank's Shout
2. Nostalgia
3. Bet
4. Softly, As In A Morning Sunrise
5. P.S. I Love You
6. Easy Living
7. That's All

Lee Morgan - trumpet
Hank Mobley - tenor saxophone
Hank Jones - piano
Doug Watkins - bass
Art Taylor - drums

Recorded on November 5 & 7, 1956 at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, New Jersey.

Lee Morgan / Indeed!

リー・モーガンは1938年7月生まれ。このアルバムの録音が1956年11月なので、モーガンはまだ18歳。どうやって18歳の少年が、ジャズの本質であるパワーとスリルに溢れた息遣いを身に付けたのだろう。Wikipediaとスイングジャーナル『世界ジャズ人名辞典』から次のことがわかった。13歳の誕生日に姉からトランペットを贈ってもらい、いくつかのレッスンを受けた。15歳になると自分のグループを持ってダンス・ホールなどで演奏。56年10月にディジー・ガレスピー楽団に入団(58年2月まで在籍)。断片的な事実はこれだけである。

モーガンがクリフォード・ブラウンから影響を受けたことはよく知られている。ならば、15歳から18歳の間にブラウンとの接点があったのかと思ったが、その事実は出て来なかった(ブラウンは56年6月26日に交通事故で死去)。だとすれば、モーガンはダンス・ホールで小遣いを稼ぎ、ブラウンのレコードを買い込んで必死に練習したのではないか。モーガンにIndeed!(その通り!)と言って欲しいのだが。

1. Roccus
2. Reggie Of Chester
3. The Lady
4. Little T.
5. Gaza Strip
6. Stand By
7. Little T. [alternate take]

Lee Morgan - trumpet
Clarence Sharpe - alto saxophone
Horace Silver - piano
Wilbur Ware - bass
Philly Joe Jones - drums

Recorded on November 4, 1956 at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, New Jersey.