Keith Jarrett / Somewhere Before

高校3年の終わりか浪人になった頃、最初に買ったジャズのレコード。ボブ・ディランのMy Back Pagesを収録しているジャズアルバムという情報をどこからか仕入れ、中野ブロードウェイにあったレコード屋(店名は忘れた)へ買いに行ったことを覚えている(購入できたのは他の店だったかも知れない)。その頃、キース・ジャレットは知っていたが、ベーシストのチャーリー・ヘイデンはまだ知らなかった。まだジャズの初心者だったわけである。今だから言えるが、初心者が最初に買うアルバムとしては無謀だった。ピアノトリオではあるものの、単純な4ビートではなく、スタンダード曲もない。しかし・・・。

1曲目に配置されたMy Back Pagesはヘイデンのベースソロで始まる。これにシビレタ。ディランの名曲に新たな魂が宿った感じを受け、ジャズの奥深さを感じた。浪人は無事に一年で卒業。大学へ入ってジャズ研の門を叩いた。選んだ楽器はウッドベース。ジャズの道を歩むきっかけとなったのは、本アルバムであり、ベースをやってみようと決めたのは、ヘイデンのMy Back Pagesなのである。

1. My Back Pages
2. Pretty Ballad
3. Moving Soon
4. Somewhere Before
5. New Rag
6. A Moment For Tears
7. Pout's Over (And The Day's Not Through)
8. Dedicated To You
9. Old Rag

Keith Jarrett - piano, soprano saxophone, recorder
Charlie Haden - bass
Paul Motian - drums

Recorded on October 30 & 31, 1968 at Shelly's Manne-Hole, Hollywood, CA.

Keith Jarrett / Life Between The Exit Signs

キース・ジャレットの初リーダーアルバム。チャーリー・ヘイデンのベース、ポール・モチアンのドラムという強力な布陣。そして、コール・ポーター作Everything I Love以外は全てキースのオリジナルで録音に臨んだ。ジャズ・メッセンジャーズ、チャールス・ロイド・グループでの実績があったものの、リーダーとして初めてアルバムを作ることに気負いはあったのだろう。

残念ながら、全体として統一感に欠けている。フリー的なアプローチとモダンジャズを系統するアプローチ。迷いがあったのか、どんなスタイルでも演奏できることを示したかったのか。タイトル曲、そしてジャケットのように、人生は常に右か左かの分かれ道(出口)に立たされる。キースは、自分がそんな状態にあることを伝えようとしたのではないだろうか。

1. Lisbon Stomp
2. Love No.1
3. Love No.2
4. Everything I Love
5. Margot
6. Long Time Gone (But Not Withdrawn)
7. Life Between The Exit Signs
8. Church Dreams

Keith Jarrett - piano
Charlie Haden - bass
Paul Motian - drums

Recorded on May 4, 1967 at Atlantic Recording Studios, NYC.