Jack Wilson / Easterly Winds

爽快。この2文字が本作にはぴったり。それを感じるには、ジャズ歴40年が必要かもしれない。所有するジャック・ウィルソンのアルバムは、この1枚だけ。なにしろ、超マイナーなジャズピアニスト。有形文化財となりつつあるジャズ喫茶で、ウィルソンのアルバムをリクエストして、即座に出て来るのは数パーセントだろう。

だが、Wikipediaでジャック・ウィルソンを調べてみたら、意外にもリーダーアルバムを12枚も出していることが判明。しかし、大物ジャズマンとのセッションが全く無いのが、超マイナーの理由。本作は誰がリーダーでも構わないから、集まったメンバーでセッションをやろうという感じ。そのことが、ジャズの醍醐味を味わえる1枚になったと言える。

1. Do It
2. On Children
3. A Time For Love
4. Easterly Winds
5. Nirvanna
6. Frank's Tune

Jackie McLean - alto saxophone (tracks 1,2,4-6)
Lee Morgan - trumpet (tracks 1,2,4-6)
Garnett Brown - trombone (tracks 1,2,4-6)
Jack Wilson - piano
Bob Cranshaw - bass
Billy Higgins - drums

Recorded on September 22, 1967 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey.

Jack Elliott / The Rambling Boys

ジャック・エリオット、1931年8月1日生れ。今日が誕生日であり、83歳になった。まだまだ健在なようである。

戸井十月氏、姫田忠義氏の訃報が続いたため、今日が誕生日のジャックのアルバムを棚から引っ張り出した。正確な録音年月日は分からないが、1957年らしい。ディランのみならず、ジョン・レノン、ポール・マッカートニー、ミック・ジャガーなども愛聴したアルバムと言われている。日本では、高田渡や加川良が影響を受けたことは間違いない。

そう言えば、戸井氏や姫田氏と音楽の話はしてこなかった。もしかすると、ジャックは好きだったのかも知れない。勝手にそう決めて、お二人にこのアルバムを捧げたい。

1. Rich And Rambling Boys
2. Buffalo Skinners
3. I Wish I Was A Rock
4. It's Hard, Ain't It Hard
5. All Around The Water Tank
6. Mother's Not Dead
7. East Virginia Blues
8. The Old Bachelor
9. Danville Girl
10. The State Of Arkansas
11. The Death Of Mr. Garfield
12. Roll On Buddy

Ramblin' Jack Elliott - vocals, guitar
Derroll Adams - vocals, banjo

Recorded in 1957.

Jack DeJohnette / Album Album

モンク作Monk's Moodを除いた残りの5曲は、ジャック・ディジョネットの作品。このことから、ディジョネットが単なるドラマーではないことがうかがい知れる。フロント3管にベースとドラムという構成。だが、ディジョネットはキーボードも担当。つまり、多重録音ということ。その必要があったのかは疑問が残る。ディジョネットが使いたいプレイヤーがいなかったのか、それとも初めから自分で弾くことを、音を被せることを狙っていたのか。

いずれにしても、スタジオ録音で、リハーサルは何度も重ねたのではないかと思う。だが、ディジョネットが示したのは、それぞれの曲のコンセプトで、その中でメンバーが曲作りをしてきたのだろう。極めて完成度が高いアルバムと言える。

1. Ahmad The Terrible
2. Monk's Mood
3. Festival
4. New Orleans Strut
5. Third World Anthem
6. Zoot Suite

John Purcell - alto saxophone, soprano saxophone
David Murray - tenor saxophone
Howard Johnson - baritone saxophone, tuba
Rufus Reid - bass
Jack DeJohnette - drums, keyboards

Recorded on June 6 & 7, 1984 at The Power Station, NYC.