カテゴリー: J

本作は、LPのB面を占めたタイトル曲の「アランフェス協奏曲」に尽きる。A面は、そこへつなげる役割があったはずだ。しかし、You'd Be So Nice To Come Home Toでスタートさせたのは明らかに選曲ミス。もう少しコンセプトを練るべきだったと思う。最高のミュージシャンを集めたのだから、安易にYou'd Be So ...をやらせるべきではなかった。

録音データからも、You'd Be So ...とTwo's Bluesは「アランフェス協奏曲」の1週間後に録音。後付けの感じである。A面の演奏に不満があるわけではないが、組曲的な構成にしていれば、本作の価値はさらに高まっただろう。

1. You'd Be So Nice To Come Home To
2. Two's Blues
3. Answer Is Yes
4. Concierto De Aranjuez

Paul Desmond - alto saxophone
Chet Baker - trumpet
Jim Hall - guitar
Roland Hanna - piano
Ron Carter - bass
Steve Gadd - drums

Tracks 3 & 4
Recorded on April 16, 1975 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey.

Tracks 1 & 2
Recorded on April 23, 1975 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey.

所有するギターとベースのデュオアルバムは4枚。本アルバム以外の3枚はチャーリー・ヘイデン名義で、その中の1枚はジム・ホールとのデュオ（1990年7月のモントリオール国際ジャズ・フェスティバルでのライブ）。ジム・ホールはレッド・ミッチェルとのデュオアルバム（1978年1月のスイート・ベイジルでのライブ）も残している。

ジム・ホールは本アルバムをきっかけにして、ベーシストのデュオに新たな可能性を見いだそうとしたのではないだろうか。しかも、いずれもライブアルバム。ギターとベースによる計10本の弦で空間を振動させ、どれだけ観客を揺さぶられるかと挑戦したような気がする。自分自身は学生時代のジャズ研で、2曲目Alone Togetherのロン・カーターのベースラインを必死にコピーし揺さぶられ続けた。

1. St. Thomas
2. Alone Together
3. Receipt, Please
4. I'll Remember April
5. Softly, As In A Morning Sunrise
6. Whose Blues
7. Prelude To A Kiss
8. Autumn Leaves

Jim Hall - guitar
Ron Carter - bass

Recorded on August 4, 1972 at The Jazz Adventures Concert, Playboy Club, NYC.