John Coltrane / The Olatunji Concert - The Last Live Recording

コルトレーン最後の録音。藤岡靖洋氏の解説や英文Wikipediaによって、このアルバムの詳細がわかってきた。会場はハーレムにあるオラトゥンジ・アフリカ文化センター。オラトゥンジは、コルトレーンと親交があったナイジェリア出身のドラマーで、このセンターの開設者。1967年4月23日のライブは、午後4時と午後6時からの2つのセッション。録音されたのは、前半のセッションのみ。後半のセッションでは、TunjiとA Love Supreme - Acknowledgementの2曲が演奏されたようだ。

結果的に、録音された最後の曲はMy Favorite Thingsとなった。この曲を最初に録音したのは、60年10月21日。6年半に渡って、演奏し続けてきたことになる。このコンサートの数年後、ラシッド・アリは語っている。「彼が病気だとは思っていなかった。なぜなら、彼がサックスを口に当てても、動揺はしていなっかたからだ。そして、火は一気に燃え上がった」。だが、コンサートの約1か月後、コルトレーンは激しい腹痛を訴え始めた。そして、7月17日に逝ってしまった。

なぜにコルトレーンは、死の間際まで咆哮しなければならなかったのか。妻であるアリスは、コルトレーンの病気を知っていたに違いない。彼の健康を気遣って、コンサート活動を制止しなかったのか。早目の手当てをしていれば・・・。

1. Introduction By Billy Taylor
2. Ogunde
3. My Favorite Things

John Coltrane - soprano saxophone, tenor saxophone
Pharoah Sanders - tenor saxophone
Alice Coltrane - piano
Jimmy Garrison - bass
Rashied Ali - drums
Algie DeWitt - bata drum
Juma Santos - percussion

Recorded on April 23, 1967 at Olatunji Center of African Culture, NYC.

Jackie McLean / Demon's Dance

原田和典氏のライナーノーツによると、ジャケットはドイツ人のアヴドゥル・クラーワイン(1932年 - 2002年)によるもの。マイルスの『ビッチェズ・ブリュー』『ライブ・イーブル』、サンタナの『天の守護神』を手掛けている。この3枚に比べると、1967年12月録音(70年10月リリース)の本作は時代を揺るがすアルバムではないし、ジャケットもそれらと比較すると下品。その中で救われるのは、ウッディ・ショウ作Sweet Love Of Mineで、これは間違いなく名曲。しかし、ショウ自身はアルバムLive In Bremen 1983のみに収録しているだけ。

問題は、鈴木勲のアルバムBlue Cityで74年3月録音。これに収められた鈴木の作品45th Street - At 8th Avenue -は、Sweet Love Of Mineそのものである。自分が先に聴いたアルバムはBlue Cityなので、本作を聴いた時にはショウがパクったと思ったが、その逆である。いや、もしかすると、二人がそれぞれ参考にしたトラディショナル曲があるのではないかと調べてみたが、その痕跡は見つからなかった。いずれにしても、ブルーノートとしては珍しく、主役のジャッキー・マクリーンをリリースまで3年間待たせた。ジャケットの仕上がりに時間を要したのか。それとも、Sweet Love Of Mine盗作の疑いが起きたのか。

1. Demon's Dance
2. Toyland
3. Boo Ann's Grand
4. Sweet Love Of Mine
5. Floogeh
6. Message From Trane

Jackie McLean - alto saxophone
Woody Shaw - trumpet, flugelhorn
LaMont Johnson - piano
Scott Holt - bass
Jack DeJohnette - drums

Recorded on December 22, 1967 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey.

Johnny Griffin / Catharsis!

CD帯から。「ハッシャ・バイの名演で知られるジョニー・グリフィン1980年代の代表作! 1989年にコペンハーゲンで行なったライブを収めた作品で、いつも以上にダイナミックなブロウで沸かせるグリフィンと、熱いケニー・ドリューのピアノが最高!」。特に異論はないが、代表作にもかかわらず、グリフィンのディスコグラフィーに本作が載っていない理由を教えて欲しい。

所有するグリフィンのアルバムでハッシャ・バイが収録されているのは、本作以外にThe Kerry Dancers (1961年12月録音)とThe Man I Love(67年3月)。前者はピアノがバリー・ハリスでスタジオ録音の4分56秒、後者はピアノがドリューでコペンハーゲンでのライブ録音の9分26秒。本作は13分24秒の熱演。演奏時間が長ければよい訳ではないが、イントロにアレンジを施すなどして、グリフィンとドリューの気合が伝わってくる。

1. Just Friends
2. If I Should Lose You
3. Hush-A-Bye
4. Slukefter Blues
5. Isfahan
6. Rhythm-A-Ning

Johnny Griffin - tenor saxophone
Kenny Drew - piano
Jens Melgaard - bass
Ole Streenberg - drums

Recorded on July 15, 1989 at Jazzhus Slukefter, Tivoli, Copenhagen, Denmark.