John Coltrane / Expression

コルトレーンの死の直後、1967年9月にリリースされたアルバム。ジャケットには、SEPTEMBER 23, 1926 - JULY 17, 1967と記載されている。従来は、録音データに不明な点があったが、67年2月15日から2曲、3月7日から2曲が正しいようだ。2月のセッションでは、ファラオ・サンダースがTo Beのみに参加。この日の他の音源は30年近く眠り、11曲を収録したアルバムStellar Regionsとして、95年10月にリリース。このアルバムにサンダースの名前はない。つまり、1曲だけ参加し、スタジオでじっとコルトレーン・カルテットの演奏を聴き入っていたのだろう。

そして、3月のセッションが、コルトレーンにとっての最後のスタジオ録音となった。2月に多くの曲を吹き込んだものの、3月は2曲のみ。肝臓癌で亡くなる4か月前ということで、体力が続かなかったのだろうか。それとも、眠ったままの音源が残されているのか。しかしである。4月23日には、オラトゥンジ・アフリカ文化センターで、コルトレーンはライブ演奏を行なっているのだ。音源が残っているような気がしてならない。

1. Ogunde
2. To Be
3. Offering
4. Expression

John Coltrane - tenor saxophone (tracks 1,3,4), flute (track 2)
Pharoah Sanders - piccolo (track 2)
Alice Coltrane - piano
Jimmy Garrison - bass
Rashied Ali - drums

Tracks 1 & 4
Recorded on March 7, 1967 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey.

Tracks 2 & 3
Recorded on February 15, 1967 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey.

J.J. Johnson / Dial J.J.5

ジャズの場合、ジャケットで買うアルバと言えば、女性ボーカルというのが定番。このアルバムのジャケットは、構図はシンプルながらも非常にユニーク。ダイアルの真ん中にJ.J.ジョンソンの写真。左には、J J JOHNSON quintet ..... Dial JJ5の文字が上下にずらっと並ぶ。この文字列が65行。「このアルバムを聴いて気に入ったら、友達に電話して知らせてやれよ」という意味だろうか。今の時代なら、メールで知らせるか、SNSへの投稿。しかし、なぜに3行目だけがオレンジ色なのか。

2曲目はパーカーの作品Barbados(バルバドス)。学生の頃、ジャズ研でよく練習した曲。所有するアルバムの中で、パーカー自身以外でこの曲を取り上げているのは、本作とトミー・フラナガンのアルバムMontreux '77だけだった。本作のピアノはフラナガン。ということは、彼の選曲だったのかも知れない。

さて、ジャケットの文字列にあるように、クインテットで5人による演奏なのだが、ピアノトリオが1曲、カルテットが2曲である。計3曲はクインテットでないので、3行目がオレンジの注意信号? というより、フラナガンのピアノトリオにフロント2管が参加したと考える方が自然。電話の掛け間違いに注意なのだ。

1. Tea Pot
2. Barbados
3. In A Little Provincial Town
4. Cette chose
5. Blue Haze
6. Love Is Here To Stay
7. So Sorry Please
8. It Could Happen To You
9. Bird Song
10. Old Devil Moon

J.J. Johnson - trombone (except tracks 7,8)
Bobby Jasper - tenor saxophone, flute (except tracks 6,7)
Tommy Flanagan - piano
Wilber Little - bass
Elvin Jones - drums

Recorded on January 29 (tracks 5, 6, 8 & 9) & 31 (tracks 2-4) and May 14 (tracks 1, 7 & 10), 1957 at Columbia 30th Street Studios, NYC.

Jack DeJohnette / Made In Chicago

このアルバムは、非営利団体AACM - Association for the Advancement of Creative Musicians設立50周年を記念したライブ演奏。2013年8月29日、第35回Chicago Jazz Festivalの中での企画セッション。形式上はジャック・ディジョネット名義だが、タイトル通りでシカゴ出身5人全員にフォーカスしたアルバム。収録曲は、この日のために用意したであろう参加メンバーによる作品で、安易にスタンダード曲などを用いた同窓会的なライブではない。非常に密度の濃い演奏を繰り広げ、緊張感のある重量級ジャズ。

輸入盤CDのブックレットには、リハーサル風景を捉えたと思われる数枚の写真が掲載されている。その最後の1枚は集合写真。写真左から、ラリー・グレイ(不明)、ジャック・ディジョネット(71歳)、ムハール・リチャード・エイブラムス(82歳)、ロスコー・ミッチェル(73歳)、ヘンリー・スレッギル(69歳)。括弧内はライブ当時の年齢。ベースのグレイの年齢だけが分からなかったが、百戦錬磨のミュージシャン達であることは間違いなし。Made In Chicagoであり、Made In Koki(古稀)なのだ。

1. Chant
2. Jack 5
3. This
4. Museum Of Time
5. Leave Don't Go Away
6. Jack DeJohnette Speaks To Audience
7. Ten Minutes

Henry Threadgill - alto saxophone, bass flute
Roscoe Mitchell - alto saxophone, soprano saxophones, bass recorder, wooden flute
Muhal Richard Abrams - piano
Larry Gray - double bass, cello
Jack DeJohnette - drums

Recorded on August 29, 2013 at The Pritzker Pavilion Millennium Park Chicago, The 35th Annual Chicago Jazz Festival.