John Coltrane / Lush Life

LPは5曲目までの収録。輸入盤CDでは、残り4曲がボーナストラックとなっているが、それらは2つのアルバムThe Last TrainとThe Believerに収録されている。どちらのアルバムも所有しているので、ボーナスの価値は自分にとって全く無い。せめて、別テイクが残っていれば良かったのだが。

本作の最大の価値は、テナーサックス、ベース、ドラムのトリオによる最初の3曲(6曲目のSlowtraneも同セッションだがThe Last Trainに収録)。コルトレーンのディスコグラフィーを調べたところ、ピアノレスによるコルトレーンのトリオ演奏は他に見つからなかった。つまり、実験的にピアノレスを試みたが、しっくりこなかったのだろう。もっとコルトレーンを煽るベースだったら、違う結果になったかも知れない。

1. Like Someone In Love
2. I Love You
3. Trane's Slow Blues
4. Lush Life
5. I Hear A Rhapsody
6. Slowtrane
7. The Believer
8. Nakatini Serenade
9. Come Rain Or Come Shine

Tracks 1, 2, 3 & 6
John Coltrane - tenor saxophone
Earl May - bass
Arthur Taylor - drums
Recorded on August 16, 1957 at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, New Jersey.

Tracks 4, 7, 8 & 9
John Coltrane - tenor saxophone
Donald Byrd - trumpet
Red Garland - piano
Paul Chambers - bass
Louis Hayes - drums
Recorded on January 10, 1958 at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, New Jersey.

Track 5
John Coltrane - tenor saxophone
Red Garland - piano
Paul Chambers - bass
Albert "Tootie" Heath - drums
Recorded on May 31, 1957 at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, New Jersey.

Tracks 6, 9 - included on the album "The Last Train"
Tracks 7, 8 - included on the album "The Believer"

John Coltrane / Blue Train

1曲目Blue Trainの出だしを聴いた瞬間、「あぁ、ジャズってやっぱりいいなぁ」と唸ってしまう。ワン・フレーズでそう感じさせるアルバムは、数える程だ。いろんなジャズ評論家が、様々なアルバムを名盤だ、傑作だと評価する訳であるが、結局のところ最初の曲の最初のフレーズで評価が決まってしまう気がする。ジャズとは瞬間芸であるというのは、言い過ぎか。

コルトレーンは、このアルバムで一つの成功を成し遂げ、次の頂点となるアルバムGiant Stepsへ向かう。そして、一つの曲に多くのイマジネーションをぶつけ、曲の長さが徐々に中途半端でなくなっていく。だからと言って間延びした演奏ではなく、瞬間芸の積分へ挑戦していったのだ。

1. Blue Train
2. Moment's Notice
3. Locomotion
4. I'm Old Fashioned
5. Lazy Bird

John Coltrane - tenor saxophone
Lee Morgan - trumpet
Curtis Fuller - trombone
Kenny Drew - piano
Paul Chambers - bass
Philly Joe Jones - drums

Recorded on September 15, 1957 at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, New Jersey.

John Coltrane / Winner's Circle

ダウンビート誌が1957年8月に発表した国際批評家投票の結果に基づいて集められたミュージシャンによるアルバム。タイトルWinner's Circleの所以はそこにあるのだが、決して第一位ばかりが並んでいる訳ではない。実際に、テナーサックス部門ではロリンズが1位、コルトレーンは2位であり、ロリンズはこのアルバムにはいない。ベース部門ではオスカー・ペティフォードが1位でアルバム全8曲に参加。ペティフォード名義のアルバムであっても不思議ではない。ジャケット裏の参加ミュージシャンを見ても、ペティフォードが先頭に位置し、コルトレーンは最下位である。

だが、日本のレコード会社(LP:トリオレコード、CD:ウルトラ・ヴァイヴ)はコルトレーン名義として発売。コルトレーンは8曲中の4曲のみ参加。しかも、フロントが4管構成(テナーサックス、バリトンサックス、トランペット、トロンボーン)なので、コルトレーンの出番は極めて少ない。もし、ロリンズが1曲でも参加していれば、邦題を「ロリンズとコルトレーンの対決」とでもしたのだろうか。

1. Lazy Afternoon
2. Not So Sleepy
3. Seabreeze
4. Love And The Weather
5. She Didn't Say Yes
6. If I'm Lucky (I'll Be The One)
7. At Home With The Blues
8. Turtle Walk

Art Farmer - trumpet (tracks 1,3,5,7)
Rolf Kuhn - clarinet (tracks 1,3,5,7)
Kenny Burrell - guitar (tracks 1,3,5,7)
John Coltrane - tenor saxophone (tracks 2,4,6,8)
Al Cohn - baritone saxophone (tracks 2,4,6,8)
Donald Byrd - trumpet (tracks 2,4,6,8)
Frank Rehak - trombone (tracks 2,4,6,8)
Gene Quill - alto saxophone (track 2)
Freddie Green - guitar (track 2)
Eddie Costa - vibraphone (tracks 1,3,5), piano (tracks 2,4,6-8)
Oscar Pettiford - bass
Ed Thigpen - drums (tracks 1,3-8)

Recorded in September 1957 in NYC.