John Coltrane / SOULTRANE

これからジャズを聴こうとしている人に、このアルバムを勧めたい。50年代後半の傑作である。曲のバランスと配置が良く、ジャケットもシンプルでかっこいい。欲を言えば、アルバムを象徴するような曲を入れて欲しかった。タイトルと絡めてBody And Soulが良かったかも知れない。

コルトレーン、レッド・ガーランド、ポール・チェンバースの3人は、本アルバム録音の3日前の2月4日、マイルスのアルバムMilestonesのセッションに参加。Milestonesはフロント3管。マイルス、コルトレーン、キャノンボール・アダレイ。憶測でしかないが、マイルス親分のピリピリとした感覚から解放され、本アルバムのセッションに臨んだのではないだろうか。2つのアルバムを聴き比べると、ガーランドのピアノやチェンバースのベースが生き生きとしている。

1. Good Bait
2. I Want To Talk About You
3. You Say You Care
4. Theme For Ernie
5. Russian Lullaby

John Coltrane - tenor saxophone
Red Garland - piano
Paul Chambers - bass
Art Taylor - drums

Recorded on February 7, 1958 at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, New Jersey.

John Coltrane / Lush Life

LPは5曲目までの収録。輸入盤CDでは、残り4曲がボーナストラックとなっているが、それらは2つのアルバムThe Last TrainとThe Believerに収録されている。どちらのアルバムも所有しているので、ボーナスの価値は自分にとって全く無い。せめて、別テイクが残っていれば良かったのだが。

本作の最大の価値は、テナーサックス、ベース、ドラムのトリオによる最初の3曲(6曲目のSlowtraneも同セッションだがThe Last Trainに収録)。コルトレーンのディスコグラフィーを調べたところ、ピアノレスによるコルトレーンのトリオ演奏は他に見つからなかった。つまり、実験的にピアノレスを試みたが、しっくりこなかったのだろう。もっとコルトレーンを煽るベースだったら、違う結果になったかも知れない。

1. Like Someone In Love
2. I Love You
3. Trane's Slow Blues
4. Lush Life
5. I Hear A Rhapsody
6. Slowtrane
7. The Believer
8. Nakatini Serenade
9. Come Rain Or Come Shine

Tracks 1, 2, 3 & 6
John Coltrane - tenor saxophone
Earl May - bass
Arthur Taylor - drums
Recorded on August 16, 1957 at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, New Jersey.

Tracks 4, 7, 8 & 9
John Coltrane - tenor saxophone
Donald Byrd - trumpet
Red Garland - piano
Paul Chambers - bass
Louis Hayes - drums
Recorded on January 10, 1958 at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, New Jersey.

Track 5
John Coltrane - tenor saxophone
Red Garland - piano
Paul Chambers - bass
Albert "Tootie" Heath - drums
Recorded on May 31, 1957 at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, New Jersey.

Tracks 6, 9 - included on the album "The Last Train"
Tracks 7, 8 - included on the album "The Believer"

John Coltrane / Blue Train

1曲目Blue Trainの出だしを聴いた瞬間、「あぁ、ジャズってやっぱりいいなぁ」と唸ってしまう。ワン・フレーズでそう感じさせるアルバムは、数える程だ。いろんなジャズ評論家が、様々なアルバムを名盤だ、傑作だと評価する訳であるが、結局のところ最初の曲の最初のフレーズで評価が決まってしまう気がする。ジャズとは瞬間芸であるというのは、言い過ぎか。

コルトレーンは、このアルバムで一つの成功を成し遂げ、次の頂点となるアルバムGiant Stepsへ向かう。そして、一つの曲に多くのイマジネーションをぶつけ、曲の長さが徐々に中途半端でなくなっていく。だからと言って間延びした演奏ではなく、瞬間芸の積分へ挑戦していったのだ。

1. Blue Train
2. Moment's Notice
3. Locomotion
4. I'm Old Fashioned
5. Lazy Bird

John Coltrane - tenor saxophone
Lee Morgan - trumpet
Curtis Fuller - trombone
Kenny Drew - piano
Paul Chambers - bass
Philly Joe Jones - drums

Recorded on September 15, 1957 at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, New Jersey.