John Coltrane / Coltrane Jazz

アトランティック・レーベル時代のコルトレーン。1959年5月から60年10月までのスタジオセッションが、ほぼ時系列的に5枚のアルバムGiant Steps, Coltrane Jazz, Coltrane Plays The Blues, Coltrane's Sound, My Favorite Thingsに振り分けられた。粗製乱造とまでは言わないが、アトランティックは売り上げの事しか考えていなかったと思える。この1年半の期間にライブ演奏を録音していれば、アトランティックの評価は高まったはず。

コルトレーンはセッションを繰り返すことで、自分の構想が徐々に固まっていったのだろう。やがて、インパルスへ移り、1961年11月にビレッジ・バンガードで歴史的なライブ演奏を行う。そこへ辿り着いた軌跡を確認するためのアルバムである。

1. Little Old Lady
2. Village Blues
3. My Shining Hour
4. Fifth House
5. Harmonique
6. Like Sonny
7. I'll Wait And Pray
8. Some Other Blues
9. Like Sonny [alternate take]
10. I'll Wait And Pray [alternate take]

John Coltrane - tenor saxophone
Wynton Kelly - piano
Paul Chambers - bass
Jimmy Cobb - drums
McCoy Tyner - piano (track 2)
Steve Davis - bass (track 2)
Elvin Jones - drums (track 2)

Tracks 1, 7 & 10
Recorded on November 24, 1959 at Atlantic Studios, NYC.

Track 2
Recorded on October 21, 1960 at Atlantic Studios, NYC.

Tracks 3 - 6, 8 & 9
Recorded on December 2, 1959 at Atlantic Studios, NYC.

John Coltrane / Avant-Garde

昨日はコルトレーンの命日。例年の如く、コルトレーンのアルバムをブログにアップするつもりだったが、ギタリスト橋本信二さんの訃報が届き、急遽変更。コルトレーンがリリースしてきたアルバムの中で、極めて異質な存在。オーネット・コールマンのメンバーを借用して、録音に臨んだ。つまり、コールマンに替わって、コルトレーンが瞬間的にリーダーシップを取ったアルバムである。

ドン・チェリー1曲、コールマン3曲、モンク1曲を題材にして、計5曲で構成した。自分が変わるための題材が欲しかったのだと理解したい。この年の10月にはアルバムMy Favorite Thingsを録音。まさしく、自分を表現する題材が見つかったのだ。トレーンは飢えていた。サックスという楽器を自分のものにしつつあったが、完璧に表現する材料がまだ見つかっていない時期。Avant-Garde(前衛)と名付けたアルバムではあるものの、前衛とはまだ言えない段階。

1. Cherryco
2. Focus On Sanity
3. The Blessing
4. The Invisible
5. Bemsha Swing

John Coltrane - tenor saxophone, soprano saxophone
Don Cherry - cornet
Charlie Haden - bass (tracks 1,3)
Percy Heath - bass (tracks 2,4,5)
Ed Blackwell - drums

Tracks 1 & 3
Recorded on June 28, 1960 at Atlantic Studios, NYC.
Tracks 2, 4 & 5
Recorded on July 8, 1960 at Atlantic Studios, NYC.

John Coltrane / The Best Of Birdland

ライナーノーツに書かれた邦題は『バードランドの巨星』。そして、Two Stars At Birdlandとある。LPのA面はコルトレーン、B面はリー・モーガンによるコンボ演奏。何の目的で製作されたアルバムなのかは不明。それを知って中古LPを買った自分もいい加減。とにかくコルトレーンの演奏が入っているなら、何でも聴きたいという時期があったことは事実。

油井正一氏のライナーノーツによると、「ルーレット・レコードというのは、貴重な会社だ。データがよくわからぬ幻の名盤がごろごろある」と冒頭に書いてある。何年に書かれた文章かは定かでないが、「幻の名盤」というのは誇張し過ぎた表現であり、「ごろごろ」というのも、いかがなものかと思ってしまう。しかしながら、記録としての価値はある。だが、それでしかない。でも、それでいいのだ。購入したコルトレーン・ファンがここにいたのだから。なお、CD化はまったく望めないアルバム。

1. Exotica
2. One And Four
3. Simple Like
4. Suspended Sentence
5. Minor Strain
6. A Bid For Sid

Tracks 1, 2 & 3
John Coltrane - tenor saxophone
McCoy Tyner - piano
Stephen Davis - bass
Billy Higgins - drums
Recorded on September 8, 1960 in Los Angeles, CA.

Tracks 4, 5 & 6
Wayne Shorter - tenor saxophone
Lee Morgan - trumpet
Bobby Timmons - piano
Jimmy Rowser - bass
Art Taylor - drums
Recorded in June, 1960 at Capitol Studios, NYC.