板橋文夫 / WATARASE

今年のココファーム収穫祭は中止。例年のような足利前泊はなくなり、渡良瀬川を眺める機会も失われてしまった。そんなことをふと想い、棚から取り出したアルバム。2010年夏、青春18きっぷで北海道を一人旅。7月25日昼過ぎ、根室駅到着。そのままジャズ喫茶『サテンドール』へ。根室の目的は『サテンドール』、そして北方領土を肉眼で確認することだった。

『サテンドール』で、2時間近くジャズを聴きながら旅の疲れを癒し、ホテルのチェックインを済ませて、夜はビールを飲みに再訪。マスターの谷内田一哉さんが、常連のお客さん達に、このアルバムを紹介しているのを横で聞いていた。旅先の根室で、いつかは渡良瀬に行くこともあるだろうなぁ、と思いを巡らした。一人旅から戻って、さっそく注文。このアルバムを聴くと、ちょうど10年前の旅を思い出す。

Disc 1
1. Watarase / 板橋文夫- Watarase
2. Alligator Dance / 板橋文夫 - 濤 (初CD化)
3. Rise And Shine-full edit / 板橋文夫 - Rise And Shine (初CD化)
4. Good-bye / 板橋文夫 - 濤 (初CD化)
5. Up Into The Sky / 板橋文夫 - Nature
6. Ash / 板橋文夫 - Nature (初CD化)
7. Nippon Blues / 板橋文夫 - Impact (初CD化)
8. Don't Say Goodbye / 板橋文夫 - Red Apple (初CD化)

Disc 2
1. Watarase / 板橋文夫&Friends - ジャンボ・オブリガード!ブラジル
2. Watarase / 森山威男 - 虹の彼方に
3. Watarase / 板橋文夫 - ノース・ウィンド
4. Watarase / 森山威男カルテット - Smile
5. Watarase / 森山威男カルテット - Live At Lovely
6. 交響詩「渡良瀬」~ピアノと民謡と管弦楽のための / 板橋文夫 with 神奈川県フィルハーモニー管弦楽団 ft.金子友紀『横濱JAZZ PROMENADE 2001 シンフォニック in ジャズ2』 (初CD化)
7. Watarase / 板橋文夫 - 一月三舟

Released on July 23, 2005.

板橋文夫 / わたらせ

板橋文夫をミュージシャンと呼ぶのは、なんだか魚の骨が喉に引っかかってしまった感じがする。だからと言って、職人と言ったら彼は不本意だろう。ジャズを職業にした男。ならば、職人とのちがいは。「技」ではなく「魂」で仕事をしているから。

ピアノという楽器を操る彼特有の「技」はない、と思っている。しかし、そこには何一つとして迎合していない板橋文夫という「魂」を感じてしまうのだ。以下は、CD帯から。「幻の名盤と言われ、板橋文夫の名を世に知らしめた作品。CD化が待ち望まれていた一枚で23年振りの復刻。名曲〈渡良瀬〉〈グッドバイ〉収録」。録音は1981年10月で、2004年12月にリマスタリングされた。

1. Someday My Prince Will Come
2. Msunduza
3. I Can't Get Started
4. Tone - 利根
5. Watarase - 渡良瀬
6. Miss Cann
7. Good Bye

板橋文夫 - piano

録音 1981年10月12, 13日 / 東京・日本コロムビア第1スタジオ

板橋文夫 / Nature

2010年の夏、青春18きっぷを使い北海道のジャズ喫茶を一人で巡った。一番楽しみにしていたのが、根室のジャズ喫茶『サテンドール』。根室に着いたのは昼過ぎ。そのまま『サテンドール』へ直行。夜はビールを飲みに再度訪ねた。そして、当時のマスター谷内田一哉さんが、常連のお客さん達に板橋文夫のアルバムWATARASEを紹介していて、一緒に聴かせてもらった。

旅から帰って、さっそくWATARASEを購入、次に辿り着いたのが本作。つまり、タイミングよく『サテンドール』に入らなければ、出会えなかったアルバムである。CD帯は「大自然への憧憬を内なる音世界に表現した、全曲板橋文夫のオリジナルによる作品。コンポーザーとしての才能も印象付けた名盤」とある。栃木県出身の板橋であるが、彼のジャズには北海道が似合う。

1. When You Smile
2. Up Into The Sky
3. Listen To My Story
4. Macumba
5. Ash

板橋文夫 - piano
望月英明 - bass
亀山賢一 - drums
大友義雄 - soprano saxophone (tracks 4,5)
古沢良治郎 - drums (tracks 4,5)
初山博 - vibraphone (tracks 4,5)
山崎弘一 - bass (tracks 4,5)

Recorded on March 13, 14 & 15, 1979 at Nippon Columbia's 1st studio, Tokyo.