はっぴいえんど / ライブ!!

はっぴいえんどの解散コンサート。1973年9月21日。なぜか足を運ばなかった。すでに解散状態だったはっぴいえんどなので、コンサートの告知に気が付かなかったのだろう。1972年8月31日、五つの赤い風船の日比谷野外音楽堂での解散コンサートには行ったのだが。LPには、松本隆の「はやすぎた回想録」がジャケットの赤い日付部分を上に開くと載っている。その最初と最後の部分を以下に掲載。

『正直に言って、ぼくら4人の誰もが、あの晩のコンサートに乗り気がじゃなかった。それは別れてから辿りはじめた個々の道を歩くのにせいいっぱいで、一年もたたないうちにまた同じステージの上に立って何をしたらいいのかもわからなかったからだ。〈中略〉あの晩の最後の方で大瀧氏が喋った言葉をトラック・ダウンして聞き取った時、ぼくは茂に向かって思わず「いいね」と言ってしまったのを彼も「うん、いいね」と首肯いてくれた。大瀧氏はテープの中で、「それでは最後に、この4人でしかできない曲をやります」と言っていたのだった。ぼくも茂もあの時は全く気付かなかったけど、そのテープではじめて聞いたのである。』

『あの晩はとても素敵だったと思う。ぼくらはすごく楽しく演れたし、それぞれが自らの青春らしきものに終止符を打つような淋しさを感じていたにちがいない。〈はっぴいえんど〉さようなら!』

1. はいからはくち
2. 夏なんです
3. 氷雨月のスケッチ
4. 抱きしめたい
5. 空とぶ・ウララカ・サイダー
6. ココナツ・ホリデー
7. 街行き村行き
8. 春一番
9. 12月の雨の日
10. かくれんぼ
11. 春よ来い

細野晴臣 / 大瀧詠一 / 松本隆 / 鈴木茂
Tracks 5 & 6 - 大瀧詠一とココナツ・バンク
Tracks 7 & 8 - 西岡恭三

録音 1973年9月21日 / 解散コンサート@文京公会堂

はっぴいえんど / 風街ろまん

このアルバムについて、いまさら何も書くことはない。1971年11月20日発売と同時に購入。いや、前もって中野のレコード店に予約を入れていたかも知れない。もう50年近く前のことなので忘れてしまった。CDは2種類所有。久しぶりにLPを取り出し、見開きジャケット内側を記念撮影。内側に書かれた松本隆の詩「風狂い」はこう始まる。

水無月の風
電車通り吹き抜けると
鬼瓦の屋根のあたりで美しい渦描く
通りにあふれる人波熱い息を吐き散らし
風のやさしい刃その頬削ぐのに忙しく
だが夢に魘された路面電車通りすぎれば
原色の街毒々しい色あい失いつつ褪めてゆき
いまはもうすっかり風色
...
...

1. 抱きしめたい
2. 空いろのくれよん
3. 風をあつめて
4. 暗闇坂むささび変化
5. はいからはくち
6. はいから・びゅーちふる
7. 夏なんです
8. 花いちもんめ
9. あしたてんきになあれ
10. 颱風
11. 春らんまん
12. 愛餓を

録音 1971年5月11日 - 9月12日

Hugh Lawson / Casablanca

所有するアルバムの中で、自分にとっての最大級の「隠れ名盤」。かつて、ヒュー・ロウソンというピアニストはほとんど知らなかったし、本作については何の前知識もなく購入した。手元に届き、上品な紙ジャケット、スピーカーから流れてくるヒューの心に沁みるピアノ。ベースとドラムが見事にそのピアノを支えている。さらに、四谷『いーぐる』店長の後藤雅洋氏によるライナーノーツ。ようやく彼の感性に近づいた気がした。何度聴いても飽きがこない。長年ジャズを聴いてきて良かったと思えるアルバム。

CD帯から。『ブルーノートの姉妹レーベル「サムシンエルス」が初期に残した悲運のピアノトリオ。海外発売されることもなく、長らくファンに探し求められていたあの希少盤を、マスターテープを新たにして紙ジャケ高音質CDで限定生産。「バラッズ・フォー・ザ・ビースト」の哀愁と「時の過ぎるまま」のロマンティシズムで知られる。未発表曲「マイ・ファニー・ヴァレンタイン」を追加収録』。

1. Ballads For The Beast
2. My Sherry Amour
3. As Time Goes By
4. On A Slow Boat To China
5. Basie In Mind
6. The Man Who Never Sleeps
7. When You Wish Upon A Star
8. New Boots For Brooks
9. Blondie's Waltz
10. Days Of Wine And Roses
11. My Funny Valentine

Hugh Lawson - piano
Cecil McBee - bass
Marvin "Smitty" Smith - drums

Recorded on August 3 & 4, 1989 at A & R Recording, NYC.