日野元彦 / 流氷

2010年7月後半、青春18きっぷで10日間余りの北海道一人旅。25日は根室のジャズ喫茶『サテンドール』へ。午後1時過ぎに入って珈琲を飲んだ。その晩、今度はビールを飲みに再訪問。数名の地元のお客さんが出て行った後、マスターの谷内田さんと二人でジャズ談義。そして、閉店前にリクエストしたのが、このアルバム。1976年2月7日、日野元彦カルテット+1(プラス1は山口真文)によるライブが根室市民会館で行われた。主催したのは、ネムロ・ホット・ジャズ・クラブ。そして、サテンドールのマスターは、クラブの事務局長(当時)。

LPは持っていたが、ようやくCDを購入することができた。2曲追加されている。そして、CDを聴きながら『サテンドール』へ来年は行こうかと思いネットで調べたら、昨年から店主が替わっていた。高齢のため、引き継いでくれる人を全国から募集したそうだ。20人以上の応募があり、世田谷に住む当時62歳(自分と同じ年齢!)の方に決定。ご夫婦で根室に移住したそうである。この応募を知っていたら、間違いなく申し込んだのだが・・・。学生時代に何度も聴いた『流氷』。逃がした氷は大きい。

1. 流氷
2. Soultrane
3. Rio Rome
4. Milky Shade
5. New Moon

山口真文 - tenor saxophone
清水靖晃 - tenor saxophone, soprano saxophone
渡辺香津美 - guitar
井野信義 - bass
日野元彦 - drums

録音 1976年2月7日 / 根室市民会館

日野元彦 / TOKO

トコこと日野元彦は、1975年7月20日の『ネム・ジャズ・イン』のライブで何を表現したかったのだろう。3曲収録されているが、どれも似たり寄ったりの曲想で主張を感じない。ましてや、16ビートを基調としていて、鈴木勲のウッドベースでは場面展開は無理なのだ。ライブのオファーがあったから、やっつけでやったに過ぎないと感じてしまう。

ライナーノーツはルーペで見ても読めない大きさ。1,500円での再発だったが、プラス100円で読めるライナーノーツを入れて欲しかった。発売元のキングレコードの資質の問題である。やっつけで制作した感じだ(その後、カメラで撮影して画像を拡大したところ、午前3時、7番目に日野グループは登場したと行田よしお氏が書いていた)。その半年後の76年2月7日、ネムではなく根室でトコは見事なパフォーマンスを見せた。それが名盤『流氷』である。

1. You Make Me So Sad
2. Olive's Step
3. Endless Way

渡辺香津美 - electric guitar
益田幹夫 - keyboards, organ
鈴木勲 - bass
日野元彦 - drums

Recorded on July 20, 1975 at Nemu no Sato.

細野晴臣 / HOSONO HOUSE

このLPを購入したのは高校2年。何度ターンテーブルに載せただろうか。日曜の午前中に聴くことが多かった。いつの間にか、父親が3曲目の「CHOO CHOO ガタゴト」を覚えてしまい「チューチューガタゴト…」と口ずさんでいたことを思い出す(その父は95歳で今も健在)。2010年頃、ノイズだらけになったLPを町田ディスクユニオンに持って行ったら、2,500円で引き取ってくれた。「そんな高額で?」「ええ、まだCD化されていないんですよ」と。その瞬間、しまったと思った。もう数年、自宅で暖めておけば数万円になったかも知れない。だが、12年10月にCDがリリース。

細野へのインタビューがCDのライナーノーツには載っている。ザ・バンドの『ミュージック・フロム・ビッグ・ピンク』の影響もあったと語っている。少し謎が解けてきた。ディランとザ・バンドとの関係。岡林とはっぴいえんどとの関係。フォークとロックの融合などと簡単には論じることはできないが、事実として、そういう関係があった。細野はザ・バンドを聴いていたのだ。

1. ろっかばいまいべいびい
2. 僕は一寸
3. CHOO CHOO ガタゴト
4. 終わりの季節
5. 冬越え
6. パーティー
7. 福は内 鬼は外
8. 住所不定無職低収入
9. 恋は桃色
10. 薔薇と野獣
11. 相合傘

Haruomi Hosono - bass, guitar, flat mandolin, flat vocal, melodion, kalimba & piano on "Party"
Masataka Matsutoya - piano, Fender Rhodes, accordion
Shigeru Suzuki - electric guitar
Tatsuo Hayashi - drums, percussion
Hiroki Komazawa - st' guitar

発売 1973年5月25日