High Five / Five For Fun

High Fiveのアルバムは2枚所有。本アルバムは、2008年にスイングジャーナル誌選定ゴールド・ディスクに選ばれた。CDの帯には、「究極の新世代ハードバップ集団! イタリアの最強クインテットが遂にブルーノートからメジャー・デビュー!」とある。このアルバムを購入して聴いた時には、このキャッチコピーに納得した。楽器のバランスが良く、無駄な演奏を全く感じない。さらに、全12曲中(1時間17分)、8曲がオリジナルで、よく作り込まれた作品ばかりである。

ところが、次のアルバムSplit Kickを2010年に録音し、それっきりとなってしまった。イタリアのジャズの情報はなかなか入手できず正確なところは分からないのだが、「新世代」と謳われながら、一発花火で終わってしまったようだ。「究極の一発花火集団!」である。リーダー不在のコンボだけに、「互いの時間が合えば、またやろうか」というスタンスなのかも知れない。それにしても、Split Kickから10年近く経過。

1. Five For Fun
2. Ojos De Rojo
3. Cosi Come Sei
4. Pandaguru
5. Happy Stroll
6. Estudio Misterioso
7. Inception
8. Evan's Even
9. Nino's Flowers
10. Naty
11. A Shade Of Jade
12. Ligia

Fabrizio Bosso - trumpet, flugelhorn
Daniele Scannapieco - tenor saxophone
Luca Mannutza - piano
Pietro Ciancaglini - bass
Lorenzo Tucci - drums

Recorded on January 8, 9 & 10, 2008 at House Recording Studio, Rome.

Herbie Nichols / Herbie Nichols Trio

ハービー・ニコルス。モンクと対比させられることが多い。確かにモンク的な音使いは感じる。しかし、決定的に違うのは予定不調和と予定調和か。不調和で進み不調和で終る緊張感、調和で終ってしまう安堵感。このアルバムは、確かに完成度は高いと言えるが、安堵感で終る。言い方は悪いが、つじつまを合わせている感じ。

ニコルスはリーダーアルバムを4枚しか作っていない。さらに、サイドマンとして参加したアルバムもないようだ。むしろ、死後に作曲家として評価されるようになったらしい。本アルバムも全10曲中、ラストのMineを除いてニコラスの作品。そういう情報を仕入れると、綿密なスコアがあったように思えてくる。

1. The Gig
2. House Party Starting
3. Chit-Chatting
4. The Lady Sings The Blues
5. Terpsichore
6. Spinning Song
7. Query
8. Wildflower
9. Hangover Triangle
10. Mine

Tracks 1 - 5
Herbie Nichols - piano
Al McKibbon - bass
Max Roach - drums
Recorded on August 1 & 7, 1955 at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, New Jersey.

Tracks 6 - 10
Herbie Nichols - piano
Teddy Kotick - bass
Max Roach - drums
Recorded on April 19, 1956 at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, New Jersey.

Herbie Mann / Hold On, I'm Comin'

所有するハービー・マンのアルバムは、この1枚のみ。マンの演奏が決して嫌いではないのだが、どのアルバムを聴いてもたぶん同じような雰囲気なんだろうな、という先入観があった。せめて1枚ぐらいは手元に置こうと思い、10年近く前に本作を購入。結局、次のアルバムに触手は伸びなかった。

CD帯から。「ジャズをベースにソウル、ロック、ファンクなどを消化したサウンドは理屈抜きで楽しめるものばかり。名曲〈メンフィス・アンダーグラウンド〉の再演も聴きもの」。その通りで、理屈抜きで楽しめるからこそ、それで満腹になってしまうのだ。

1. (Gimme Some Of That Good Old) Soul Beat Momma
2. Never Can Say Goodbye
3. Respect Yourself
4. Memphis Underground
5. Hold On, I'm Comin'

Herbie Mann - flute
David Newman - tenor saxophone, flute
Sonny Sharrock - guitar
Pat Rebillot - electric piano
Andy Muson - bass
Reggie Ferguson - drums

Recorded on July 8, 1972 at New York Jazz Festival. (except track 3).
Recorded on June 25, 1972 at Montreux Jazz Festival (track 3).