The Great Jazz Trio / At The Village Vanguard Vol.2

Vol.1とVol.2のジャケットはベースボール。ジャズのアルバムとしては異例。Vol.1はトニー・ウィリアムスがマウンドに立って直球勝負。Vol.2はロン・カーターが抑えのリリーフ。そんな感じだ。ウッドベースのフレットを自在に操りフォークボールの妙技。そして、ハンク・ジョーンズはどんな球が来ても正確にキャッチして、相手のピッチャーに投げ返す。

極めつきはマイルス作のNardis。ビル・エバンスがこの曲の録音をいくつか残した。ハンク・ジョーンズがエバンスと対抗する意識はなかったと思うが、やはり聴き比べてみたい。ラファロは当然ながら弦楽器としてベースを操るのに対し、カーターはあたかも打楽器としてベースをかき鳴らす。このアプローチの違い。どちらもストライクなのだが。余談ながら、このアルバムは多くの日本人によって作られている。

1. Confirmation
2. Wind Flower
3. Nardis
4. Lawra

Hank Jones - piano
Ron Carter - bass
Tony Williams - drums

Recorded on February 19 & 20, 1977 at The Village Vanguard, NYC.

The Great Jazz Trio / At The Village Vanguard Vol.1

1977年2月のライブ演奏。同年5月にリリース。ジャズ研での練習とアルバイトに明け暮れ、ようやく自分のウッドベースを手に入れた頃である。LPでA面1曲目のMoose The Moocheを聴いた時、それまでに体験したことのないピアノトリオのスピード感に圧倒された。チャーリー・パーカーの曲。ピアノトリオでのアルバムは、バド・パウエルのAt The Golden Circle Vol.2 & Vol.4、バリー・ハリスのAt The Workshopを所有。

計4曲を聴き比べてみたが、トニー・ウィリアムスのドラムが群を抜いていることを改めて感じた。リズムを刻むのではなく、押し込んでいく。ハンク・ジョーンズとロン・カーターは必然的に前のめりになり、トリオとしてのスピード感が増していく。

1. Moose The Mooche
2. Naima
3. Favors
4. 12+12

Hank Jones - piano
Ron Carter - bass
Tony Williams - drums

Recorded on February 19 & 20, 1977 at The Village Vanguard NYC.

The Great Jazz Trio / Love For Sale

The Great Jazz Trioのファーストアルバム。この録音の前日、渡辺貞夫はハンク・ジョーンズ、ロン・カーター、トニー・ウィリアムスをバックにアルバムI'm Old Fashionedを録音。ハンクはベースをロンからバスター・ウィリアムスに替えて、このアルバムの録音に臨んだ。その理由は明らかにされていない。トニーのドラムを強調させるため、エッジの利いたベースが必要だったのかも知れない。

タイトル曲のLove For Saleが、何といってもこのアルバムの聴きどころ。この曲は多くのプレイヤーが取り上げているが、ドラムで聴かせるLove For Saleは唯一であろう。4分53秒からのトニーのソロ。圧巻。ちなみに、CD化に際してWalter Gross 作曲Tenderlyが追加された。

1. Love For Sale
2. Glad To Be Unhappy
3. Gee Baby, Ain't Good To You
4. Secret Love
5. Someone To Watch Ober Me
6. Autumn Leaves
7. Tenderly

Hank Jones - piano
Buster Williams - bass
Tony Williams - drums

Recorded on May 22, 1976 at Vanguard Studio NYC.