Gato Barbieri / El Gato

商品解説「ガトー・バルビエリの独立レーベルFlying Dutchman時代の拾遺集。そして、本作で初披露となったオリバー・ネルソン作のEl Gatoを収録」を読み、拾遺集といっても、別テイクなのだろうと勝手に思い込んで購入。ところが、全5曲中、アルバムUnder Fireから1曲、アルバムBoliviaから3曲が、そのままコンパイルされていた。どちらも所有済みなので、個人的に価値があるのは、El Gatoだけ。

では、そのEl Gatoが貴重なセッションだったかと言えば、疑わしい。フロント5管で、豪華なメンバーが参加しているものの、この1曲のためだけに集まったとは思えない。録音データによると、1972年5月とあるが、録音日が特定されていないので、オーバーダビングしている可能性がないとは言えないのだ。まぁ、アルバム自体がオーバーダビングなのだが。

1. El Gato
2. El Parana
3. Merceditas
4. Vidala Triste
5. Niños

Track 1
Gato Barbieri - tenor saxophone
Oliver Nelson - alto saxophone
Danny Bank - bass clarinet
Romeo Penque - alto flute, English horn
Phil Bodner - flute, alto flute
David Spinozza – guitar
Hank Jones - piano
Ron Carter - bass
Pretty Purdie - drums
Airto Moreira – percussion
Recorded in May, 1972 at RCA Studios, NYC.

Track 2 (from "Under Fire")
Gato Barbieri - tenor saxophone, vocals
John Abercrombie - guitar
Lonnie Liston Smith - keyboard
Stanley Clarke - bass
Roy Haynes - drums
Airto Moreira - drums, percussion
James M'tume - percussion
Moulay Ali Hafid - percussion
Recorded in 1971 in NYC.

Track 3, 4 & 5 (from "Bolivia")
Gato Barbieri - tenor saxophone, flute, vocals
John Abercrombie - guitar
Lonnie Liston Smith - piano, electric piano
Jean-Francois Jenny-Clark - bass
Stanley Clarke - bass
Pretty Purdie - drums
Airto Moreira - percussion
James M'tume - percussion
Moulay Ali Hafid - percussion
Recorded in 1973 in NYC.

Gato Barbieri / Yesterdays

所有アルバムの中で、名曲Yesterdaysが収録されているのは30枚近く。数多くのジャズミュージシャンが取り上げてきた代表的なスタンダード曲だ。ガトー・バルビエリは、そんな曲に珍しく挑戦した。コルトレーンに触発されたガトー。コルトレーンが楽曲My Favorite Thingsに心血を注いだように、ガトーはYesterdaysを題材として選んだのかもしれない。

その結果、他の類を見ない大迫力のYesterdaysが出来上がり、1曲目に配置されアルバムタイトルにもなった。だが、この曲への挑戦は一度切りだったようだ。個人的には、徹底的にYesterdaysを掘り下げ、分解し、そして再構築してガトーのYesterdaysと言われるまで取り組んで欲しかった。次の曲「ア・ジョン・コルトレーン・ブルース」が、少し空しい感じに思われてしまう。

1. Yesterdays
2. A John Coltrane Blues
3. Marnie
4. Cariňoso

Gato Barbieri - tenor saxophone
Paul Metzke - electric guitar
Jorge Dalto - piano, electric piano
Ron Carter - electric bass
Bernard Purdie - drums
Ray Mantilla - timbales
Babafemi - congas

Recorded in 1974 at New York City.

Gato Barbieri / El Pampero

1971年6月のモントルー・ジャズ・フェスティバルでのライブ。ガトー・バルビエリのアルバムは12枚所有しているが、ライブアルバムは本作とChapter Fourのみ。ガトーの正式なディスコグラフィーが見つからないので、何とも言えないが、ライブアルバムは多く遺していないようだ。そういう意味では、貴重な音源である。

原田和典氏のライナーノーツによると、ライブの当日(6月18日)は、ボブ・シールが69年に設立した独立レーベルFlying Dutchman所属のアーティストによるステージだったらしい。従って、ガトー・グループはその中の1つ。全4曲41分40秒のアルバムで、ライブの全貌を捉えていると思える。観客は酔いしれ、鳴りやまない拍手があったに違いないし、アンコールの手拍子も続いただろう。ところが、演奏の終わりに入る観客からの歓声は、各曲とも同じパターン。明らかに被せた感じだ。なお、pampero(パンペロ)とは、アルゼンチン・ウルグアイで吹き降ろす西または南西の突風のこと。ガトーは、突風をスイス・モントルーに巻き起こしたのだ。

1. El Pampero
2. Mi Buenos Aires Querido
3. Brasil
4. El Arriero

Gato Barbieri - tenor saxophone
Lonnie Liston Smith - piano
Chuck Rainey - electric bass
Bernard Purdie - drums
Sonny Morgan - congas
Naná Vasconcelos - berimbau, percussion

Recorded on June 18, 1971 at Montreux Jazz Festival, Switzerland.