Gerry Mulligan / Gerry Mulligan Quartet

バリトンサックス、トランペット、ベース、ドラムという編成。バリトン奏者そのものが少ないだけに、この編成は他には思いつかない。ジェリー・マリガンとチェット・ベイカーの絡みが随所にちりばめられ、個性的なアルバムに仕上げられている。1952年8月と10月、そして1953年4月の3つのセッションからの構成。

アドリブよりアンサンブルを重視した演奏。その結果、全18曲の大半が3分以内の演奏となっている。そして、繰り返し聴くとベースが重要な役割を担っていることが分かる。フロント2管を中心に聴くだけでなく、ベースに視点を置き換えると新たな発見がある。ちなみに、ジャケットの写真4人は1952年のセッション・メンバー。

1. Bernie's Tune
2. Walkin' Shoes
3. Nights At The Turntable
4. Lullaby Of The Leaves
5. Frenesi
6. Freeway
7. Soft Shoe
8. Aren't You Glad You're You
9. I May Be Wrong
10. I'm Beginning To See The Light
11. The Nearness Of You
12. Tea For Two
13. Utter Chaos #1
14. Love Me Or Leave Me
15. Jeru
16. Darn That Dream
17. Swinghouse
18. Utter Chaos #2

Tracks 1 - 8, 13
Gerry Mulligan - baritone saxophone
Chet Baker - trumpet
Bob Whitlock - bass
Chico Hamilton - drums
Recorded on August 16, 1952 at Gold Star Studios, Los Angeles, CA.
Recorded on October 15 & 16, 1952 at Phil Turetsky's House, Los Angeles, CA.

Tracks 9 - 12, 14 - 18
Gerry Mulligan - baritone saxophone
Chet Baker - trumpet
Carson Smith - bass
Larry Bunker - drums
Recorded on April 27, 29 & 30 1953 at Radio Recorders, Hollywood, CA.

George Wallington / Live! At Cafe Bohemia

ジャケット下にfeaturing The Peckと書いてあり、何を意味しているのか分からなかったが、Ira Gitler(アイラ・ギトラー)による1970年8月付けの英文ライナーノーツを読んで判明した。「6曲目Bohemia After Darkは、マクリーン作の短いThe Peckで終わる。フロント2管によるI Got Rhythmから切り取ったフレーズの交換。この"pecking"(つつく)奏法は、2曲目Sweet Blancheでも聴く事ができる」。

ギトラーは、最後にこう付け加えている。「1955年のメトロノーム年鑑で、ウォーリントンはジャズについて答えている。『真にスイングするジャズが好きだ。スイングがそれほど重要ではなくなるまで、ジャズは進化するだろう。でも、それは自然な形でなければならない。私は自然な即興が好きなんだ』。録音から15年経った今でも、スイングしていて心が揺さぶられるアルバム。素晴らしいサウンドだ」。

1. Johnny One Note
2. Sweet Blanche
3. Minor March
4. Snakes
5. Jay Mac's Crib
6. Bohemia After Dark
7. Minor March [alternate take]

Jackie McLean - alto saxophone
Donald Byrd - trumpet
George Wallington - piano
Paul Chambers - bass
Art Taylor - drums

Recorded on September 9, 1955 at The Cafe Bohemia, Greenwich Village, NYC.

George Russell / Ezz-Thetics

四谷のジャズ喫茶『いーぐる』店主の後藤雅洋氏の著書『一生モノのジャズ名盤500』で知ったアルバム。エリック・ドルフィーが参加していることで迷わず購入した。ジョージ・ラッセルによって入念にスコアが作られたアルバムだと想像するのだが、ドルフィーに声が掛かり、アルバム全体の印象を引き締めたことに拍手。

注目したいのは、2曲目のNardisと6曲目の'Round Midnightで、前者ではバスクラリネット、後者ではアルトサックスを吹いている。ドルフィーのディスコグラフィーを調べたところ、どちらの曲もこのアルバムでしか演奏していない。ドルフィーにこれらの曲のテーマを吹かせたラッセルにもう一度拍手。

1. Ezz-Thetic
2. Nardis
3. Lydiot
4. Thoughts
5. Honesty
6. 'Round Midnight
7. Kige's Tune [take 2]
8. Kige's Tune [take 5]

Don Ellis - trumpet
Dave Baker - trombone
Eric Dolphy - alto saxophone (tracks 1,3,5-8), bass clarinet (tracks 2,4)
George Russell - piano
Steve Swallow - bass
Joe Hunt - drums

Recorded on May 8, 1961 in NYC.