Donald Byrd / Black Byrd

CD帯から。「名トランペッターがマイゼル・ブラザースと組んでブラック・ファンク・ミュージックを一新した歴史的大ヒット」。ブラック・ファンク・ミュージックってどんな感じと聞かれたら、このアルバムを紹介すればよい訳である。ということで、ジャズとして聴くと痛い目に遭うアルバム。

Wikipediaによるとブルーノート・レーベルで最高の売り上げがあったらしい。では、何枚売れたのか?具体的な数値は記載されていない。Wikipediaらしくなく、根拠を示していないのだ。いずれにしても、自分の守備範囲外のアルバムなのである。

1. Flight Time
2. Black Byrd
3. Love's So Far Away
4. Mr. Thomas
5. Sky High
6. Slop Jar Blues
7. Where Are We Going?

Donald Byrd - trumpet, flugelhorn, electric trumpet, vocals
Allen Curtis Barnes - flute, oboe, saxophone
Roger Glenn - saxophone, flute
Fonce Mizell - trumpet, vocals
Larry Mizell - vocals
Kevin Toney - piano
Freddie Perren - piano, synthesizer, vocals
Dean Parks, David T. Walker, Barney Perry - guitar
Joe Sample - piano, electric piano
Chuck Rainey, Wilton Felder, Joe Hill - bass
Harvey Mason, Sr, Keith Killgo - drums
Bobbye Hall Porter, Perk Jacobs, Stephanie Spruill - percussion

Recorded on April 3 & 4 and November 24, 1972 at The Sound Factory, Hollywood, CA.

Donald Byrd / A New Perspective

奇抜な視点でヘッドライトとドナルド・バードを撮影したジャケット。タイトルA New Perspectiveからの発想であることが分かる。しかも、演奏内容も新規性に富んでいる。全5曲にコーラスが入る。所有するアルバムで、コーラスで思い付くのは1977年9月録音のマッコイ・タイナーのInner Voices。2つのアルバムの狙いは全く違っていて、本作はコーラスをホーン的な効果として使っているが、マッコイはコーラスが軸になっている。

では、本作のコーラス入りに効果はあったのだろうか。フロント陣には、トランペット、テナーサックス、ギター、ヴァイブを構え十分過ぎる体制。そこにコーラスをぶち込んだ。バードのトランペット1本にコーラスをからませるならば、触媒作用が働いたかもしれないのだ。つまり、役者が多過ぎてジャケットが狙ったような視点が定まっていない。結果的に後味が残るのはコーラスのみ。バードのトランペットはもみ消されてしまった。ところで、バードのアルバムは9枚所有しているが、本作を含めた3枚のジャケットが、バードと車のツーショット。コーラスにこだわり、車にこだわったアルバム。だが、こだわり過ぎたようだ。

1. Elijah
2. Beast Of Burden
3. Cristo Redentor
4. The Black Disciple
5. Chant

Donald Byrd - trumpet
Hank Mobley - tenor saxophone
Kenny Burrell - guitar
Donald Best - vibraphone, vocals
Herbie Hancock - piano
Butch Warren - bass
Lex Humphries - drums
Coleridge-Taylor Perkinson - choir direction
Unidentified vocalists - Four men (two basses, two tenors) and four women (two altos, two sopranos)

Recorded on January 12, 1963 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey.

Donald Byrd / The Cat Walk

ドナルド・バードのディスコグラフィーを見ると、ペッパー・アダムスとの共演は1958年に始まり、1970年までの間に30枚近いアルバムを残している。二人は、互いの気心も手癖も知り合った仲だったのだろう。だが意外にも、バード名義のアルバムで、フィリー・ジョー・ジョーンズがドラムを叩くのは本作のみ。ジョーンズを配置したのは、プロデューサーのアルフレッド・ライオンなのか、それともバード自身の選択だったのか。

フロント2管を中心に聴くだけでなく、デューク・ピアソンのピアノ、もしくはジョーンズのドラムを中心に聴くことでも十分に楽しめるアルバム。その中でもバード作のタイトル曲The Cat Walkが印象深いのだが、自動車に寄りかかるバードを写し、赤を基調にしたジャケットがタイトルとマッチしない。ジャズの世界で男性ミュージシャンを指す俗語にCatsがあるが、こちらは一般的には複数形のようだ。日本では、クレイジーキャッツが有名。

1. Say You're Mine
2. Duke's Mixture
3. Each Time I Think Of You
4. The Cat Walk
5. Cute
6. Hello Bright Sunflower

Donald Byrd - trumpet
Pepper Adams - baritone saxophone
Duke Pearson - piano
Laymon Jackson - bass
Philly Joe Jones - drums

Recorded on May 2, 1961 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey.