Cannonball Adderley / Cannonball's Bossa Nova

CD帯から抜粋。「ハードバップ、そしてファンキー・アルトの巨人キャノンボール・アダレイが、ボサノバ・ブームの最中に録音したジャズ・ボッサの名作。若き日のセルジオ・メンデス率いるボサ・リオ・セクステットとの共演盤」。名作かどうかは別として、キャノンボールのディスコグラフィーを見ると、彼がボサノバ曲を中心に吹き込んだのは、この1枚だけのようだ。プロデューサーのオリン・キープニュースが、売れるアルバム、時代に乗ったアルバムを企画したことに間違いはない。

録音はニューヨーク。キャノンボールが本気でボサノバに挑戦しようとすれば、本場のブラジルに乗り込んだはずだ。ジャケットは、コルコバードの丘から見下ろしたリオ・デ・ジャネイロ。もっと手前に引けば、高さ30mのキリスト像がそびえ立つ。その像を入れなかったということは、宗教的意味合いを排したという事なのだろうか。キャノンボールの一発芸的なアルバム。

1. Clouds
2. Minha Saudade
3. Corcovado
4. Batida Diferente
5. Joyce's Sambas
6. Groovy Sambas
7. O Amor Em Paz (Once I Loved)
8. Sambop

Cannonball Adderley - alto saxophone
Paulo Moura - alto saxophone
Pedro Paulo - trumpet
Sergio Mendes - piano
Durval Ferreira - guitar
Octavio Bailly, Jr. - bass
Dom Um Romao - drums

Recorded on December 7, 10 & 11, 1962 in NYC.

Charles Lloyd / Wild Man Dance

2013年11月にポーランドで行なわれたジャズ・フェスティバルでの、チャールス・ロイドのライブアルバム。それ以上の詳しい情報を入手できていないが、輸入盤CDには「第10回記念フェスティバル」の記載があるので、ロイドのグループは招待公演だったのだろう。楽器構成には、ハンガリーの大型打弦楽器ツィンバロン、ギリシャ・クレタ島の弓奏楽器リラが含まれている。それぞれの名前から、地元ポーランドの楽器奏者のようだ。

さらに、ジャケット裏面にWild Man Dance Suiteとあり、このライブのためにロイドが書き下ろした組曲と想像できる。ライブ演奏でありながら、非常に緻密な構成。曲が進むにつれて、ゆっくりと熱く上昇していく。CDにきっちりと収まる75分ほどの演奏で、途中に休憩はなかったと思える。演じる側と聴く側の真剣勝負。タイミングよい拍手。ここまで書いて、ようやく詳細情報を見つけた。以下はその抜粋。

「〈ドン・ウォズが2011年にブルーノートの社長になった時に僕らに会いに来てくれて、ブルーノートに誘ってくれたんだ。僕は自分の羽をもっと広く伸ばして、新しい上昇温暖気流を見つけて羽ばたきたかったんだよ。僕のサウンドを探して、思いっきり表現する旅は終わらない。それが僕の使命〉というロイド。この組曲はフェスティバルでのプレミア・パフォーマンスで録音された。ギリシャのリラ・ハープの巨匠ソクラティス・シノプーロスとハンガリーのツィンバロムのマエストロ、ルカーチ・ミクローシも加わり、彩りと質感を添え、リズムもダイナミックに」。まぁ、自分が想像した通りのアルバム。

Wild Man Dance Suite:
1. Flying Over The Odra Valley
2. Gardner
3. Lark
4. River
5. Invitation
6. Wild Man Dance

Charles Lloyd - tenor saxophone
Gerald Clayton - piano
Joe Sanders - bass
Gerald Cleaver - drums
Socratis Sinopoulos - Greek lyra
Lukacs Miklos - cimbalom

Recorded on November 24, 2013 at Jazztopad Festival, Wroclaw Poland.

チコ本田 / Eighty Naked Soul

2019年7月27日、町田Nica'sでチコ本田のライブを聴いたとき、チコさんから直接購入。本人が持参するアルバムに悪いはずはないというのが、自分の基本的なスタンス。生演奏を聴く、そのミュージシャンのアルバムをその場で購入、迷惑でなければサインをいただく。結果、生演奏が自分の心にしっかり焼き付く。

このアルバムは3曲しか収められておらず、録音データも不明確。ネットで調べたところ、18年11月から本アルバムのリリースを記念したライブツアー開始という情報を得たので、録音はアバウトに18年秋なのだろう。で、Nica'sでのライブでは一番前の席に座り、演奏の邪魔にならないように写真を撮らしてもらった。ライブが終わり、チコさんから自分の指先が気に入っているので、写真を撮ってとリクエストを受けた。アマチュアのカメラマンが、プロのミュージシャンから撮影の依頼。これもアルバムを購入したことの縁。近いうちにプリントアウトするつもりだが、どうやって手渡しするか。まぁ、チコさんのライブを追いかけるしかない。ちょっとした目標ができた。

1. Nobody Knows You When You're Down & Out
2. And It's Supposed To Be Love
3. Many Rivers To Cross

チコ本田 - vocal
高瀬順 - piano
和泉聡志 - guitar

Recorded in Fall 2018 at Sheisho Studio.