Cedar Walton / Eastern Rebellion 4

録音1983年5月。曲目の中にManteca, St. Thomas, Epistrophyがあれば、新たな解釈での演奏を期待してしまう。しかし。新鮮味はほとんど感じられない。ジャズという音楽は、ある意味で厳しいものである。変革しなければならない運命にある。取り上げる曲は、古くても、スタンダードであっても、プレイヤーの解釈と演奏スタイルが求められるのだ。

ここでの演奏には、新たな発見はない。ジャズの行き先が見えなくなってきた80年代初め。シダー・ウォルトンには、他にやるべき音楽があったのではないだろうか。このアルバムでグループEastern Rebellionは終結したのである。

1. Manteca
2. Close Enough For Love
3. St. Thomas
4. I Am Not Sure
5. Epistrophy
6. Groundwork

Bob Berg - tenor saxophone
Alfredo "Chocolate" Armenteros - trumpet
Curtis Fuller - trombone
Cedar Walton - piano
David Williams - bass
Billy Higgins - drums

Recorded on May 25, 1983 at Studio 44, Monster, Netherlands.

Clifford Brown / At Basin Street

このアルバムに関して、未だに分からないことが2つある。まずはタイトル。Basin Street Bluesという曲があり、エラ・フィッツジェラルドが歌い、マイルスやキースなどがアルバムに取り上げている。だが、この曲が本作に収録されていないにもかかわらず、なぜにタイトルをAt Basin Streetとしたのか。Wikipediaによると、「ベイズン・ストリートは20世紀初期にニューオーリンズの歓楽街として知られたストーリーヴィルの目抜き通りを指す」とあった。

次はジャケット。CLIFFORD BROWN and MAX ROACHとジャケットに記載されているものの、写っているのはマックス・ローチのみ。ブラウンは、この録音から4ヶ月後の1956年6月26日に交通事故で即死した。つまり、ブラウンの死後にリリースされ、ローチのドラミングと歓楽街をイメージさせたと想像できる。ところが、オリジナルのライナーノーツには、ブラウンの死については書かれておらず、新作アルバムとして以下のように締め括っている。やはり、謎は謎のままなのだ。

All in all, the new Brown-Roach LP provides the most effective picture to date of the degree of integration, spirit and swing achieved by this eminent duo and their worthy cohorts.(新しいブラウン・ローチのLPは、卓越したデュオと不足ない相棒によって、融合、魂、スイングにこれまでにない最も効果的な心象を提供する)。

1. What Is This Thing Called Love?
2. Love Is A Many Splendored Thing
3. I'll Remember April
4. Step Lightly (Junior's Arrival)
5. Powell's Prances
6. Time
7. The Scene Is Clean
8. Gertrude's Bounce
9. Flossie Lou
10. What Is This Thing Called Love?
11. Love Is A Many Splendored Thing
12. I'll Remember April
13. Flossie Lou

Clifford Brown - trumpet
Sonny Rollins - tenor saxophone
Richie Powell - piano
George Morrow - bass
Max Roach - drums

Recorded on January 4 and February 16 & 17, 1956.

Charlie Haden / Tokyo Adagio

チャーリー・ヘイデンとゴンザロ・ルバルカバの東京での共演。決して、競演ではない。ベースとピアノが寄り添うのではなく、競い合うのでもなく、個々のインスピレーションを確かめ合うように、そして、タイトル通りにアダージョのテンポでゆっくりと優雅な演奏が進んでいく。聴き手は、その進行を確認するかのように引き込まれていく。だが、全体的には単調で爽快感はない。

1. En La Orilla Del Mundo
2. My Love And I
3. When Will The Blues Leave
4. Sandino
5. Solamente Una Vez (You Belong To My Heart)
6. Transparence

Charlie Haden - bass
Gonzalo Rubalcaba - piano

Recorded on March 16, 17, 18 & 19, 2005 at Blue Note Tokyo.