Cannonball Adderley / Cannonball Adderley Quintet In Chicago

「マイルス・デイビス・バンドのシカゴ滞在中にボスを除く5人が録音。キャノンボールとコルトレーンが白熱のサックス・バトルを展開」とCD帯にある。1959年2月3日だけで録音を完了させているのは、ボスの唯一の休息日だったということだろうか。ちなみに、「バトルを展開」とあるが、それは全6曲中の4曲のこと。Stars Fell On Alabamaはキャノンボール、You're A Weaver Of Dreamsはコルトレーンによるワンホーンである。

同年3月と4月にマイルスがアルバムKind Of Blueを、コルトレーンはアルバムGiant Stepsを5月に録音している。そんなジャズの大きなうねりの前に、親分のマイルスを抜かしたメンバーで録音されたアルバム。全体にリラックスしたムードが漂ってくる。

1. Limehouse Blues
2. Stars Fell On Alabama
3. Wabash
4. Grand Central
5. You're A Weaver Of Dreams
6. The Sleeper

Cannonball Adderley - alto saxophone (tracks 1-4,6)
John Coltrane - tenor saxophone (tracks 1,3-6)
Wynton Kelly - piano
Paul Chambers - bass
Jimmy Cobb - drums

Recorded on February 3, 1959 at Universal Recorders Studio B, Chicago.

Cannonball Adderley / Things Are Getting Better

キャノンボール・アダレイとミルト・ジャクソンが共演したアルバムは数少なく、本作が唯一と言っても良いだろう。ジャケットには、キャノンボールと同じ文字サイズでミルトの名が記されている。キャノンボール名義だが合作の位置付け。しかしながら、どうもしっくりこない。ミルトのヴァイブの余韻にキャノンボールがアルトで応えるのだが、何となく手探りの感じだ。

二つの楽器がうまく溶け合う場面もあれば、反発するような瞬間もある。セッションを繰り返していれば、アルバムの完成度はより高まったと思う。Getting BetterではなくBestに。

1. Blues Oriental
2. Things Are Getting Better
3. Serves Me Right [take 5]
4. Serves Me Right [take 4]
5. Groovin' High
6. The Sidewalks Of New York [take 5]
7. The Sidewalks Of New York [take 4]
8. Sounds For Sid
9. Just One Of Those Things

Cannonball Adderley - alto saxophone
Milt Jackson - vibraphone
Wynton Kelly - piano
Percy Heath - bass
Art Blakey - drums

Recorded on October 28, 1958 at Reeves Sound Studio, NYC.

Cannonball Adderley / Portrait Of Cannonball

不覚にも、このアルバムの存在は最近まで知らなかった。名盤Somethin' Elseの4ヶ月後の録音で、その後に録音されたアルバムを追いかけるのは、キャノンボールではなくマイルスに集中し過ぎたのかも知れない。このアルバムの最大のポイントはNardisの収録だろう。「マイルスはキャノンボールの新しい門出を祝し、このセッションのために印象深い〈ナーディス〉を書いた」とライナーノーツに記載されている。だが、この曲の真髄を捉えたのはセッションに参加したビル・エバンスだった。

エバンスが演奏するNardis*に耳が馴染んでしまったので、このアルバムでのキャノンボールの演奏には物足りなさを感じてしまう。マイルスからケチが付いたのか、キャノンボールは二度とNardisを演奏することはなかった。

* 所有するエバンスのアルバムの中でNardisが収録されているのはExplorations / The Solo Sessions Vol.1 / The Bill Evans Trio Live / At The Montreux Jazz Festival / The Paris Concert Edition Twoの5枚。

1. Minority [original issued]
2. Minority [take 2]
3. Minority [take 3]
4. Straight Life
5. Blue Funk
6. A Little Taste
7. People Will Say We're In Love
8. Nardis [take 5]
9. Nardis [take 4]

Cannonball Adderley - alto saxophone
Blue Mitchell - trumpet
Bill Evans - piano
Sam Jones - bass
Philly Joe Jones - drums

Recorded on July 1, 1958 at Reeves Sound Studio, NYC.