Carmen McRae / Lover Man

Carmen McRae Sings Lover Man And Other Billie Holiday Classicsが正式なタイトル。つまり、ラヴァー・マンを代表としてビリー・ホリデイの愛唱曲を、カーメン・マクレエが歌った企画アルバム。録音は1961年6月29日と7月26日。ビリーが他界したのは、その2年前の59年7月17日。従って、追悼盤とは言い難い。

ライナーノーツによると、カーメン・マクレエはビリーの「追っかけ」をやっていた時期もあったらしい。そして、60年にコロンビアと契約し、彼女の企画が通って実現したアルバム。ビリーが逝ってすぐに録音していれば、感傷的になり過ぎたかも知れない。2年という期間があったからこそ、じっくりと取り組むことができたのだろう。ということで、「追憶盤」としたい。

1. Them There Eyes
2. Yesterdays
3. I'm Gonna Lock My Heart (And Throw Away The Key)
4. Strange Fruit
5. Miss Brown To You
6. My Man
7. I Cried For You (Now It's Your Turn To Cry Over Me)
8. Lover Man (Oh, Where Can You Be?)
9. Trav'lin' Light
10. Some Other Spring
11. What A Little Moonlight Can Do
12. God Bless The Child
13. If The Moon Turns Green
14. The Christmas Song

Carmen McRae - vocals

Norman Simmons' Sextet
Eddie "Lockjaw" Davis - tenor saxophone
Nat Adderley - trumpet
Norman Simmons - piano
Mundell Lowe - guitar
Bob Cranshaw - double bass
Walter Perkins - drums

Recorded on June 29 and July 26, 1961.

Charlie Rouse / Moment's Notice

CDの帯から。「1977年に幻のピアニスト、ヒュー・ロウソンを従えカルテットで吹き込んだスウィンギーな傑作!セロニアス・モンク・カルテットの顔として活躍してきたラウズの男気溢れるテナーが最高!」。まぁそうだなと思う。だけど、「幻のピアニスト」って…。ロウソンは僅かであるが3枚のリーダーアルバムを残しているピアニストで、同日にラウズ抜きでのピアノトリオのセッションも行なっている。それが、初リーダーアルバムPrime Timeとなった。つまり、Moment's NoticeとPrime Timeは姉妹編という位置付け。

1977年10月20日、トリオとカルテットはどちらを先に録音したのか。姉と妹を示す何かのサインがないかと、この2枚を続けて聴いてみた。Prime Timeの中に、ほんの少しだけパーカッションのような音でも入っていれば、自身のセッションを録り終えたラウズが、スタジオの隅でこっそりと参加したことになる。一方、Moment's Noticeに、ラウズの渾身の長いブロウがあれば、この日のセッション完了という合図になるだろう。すると、Royal Loveの別テイクに、他の曲に比べてメンバー全員による気迫を感じたのだ。この日の長かったセッションは、このRoyal Loveで仕上げたのではないだろうか。そんなことを想像しながら聴くと、さらに楽しめるアルバム。別テイクを含めて70分11秒。世間的に名盤かどうかは知らないが、この姉妹編は自分としては間違いなく推薦盤。

1. The Clucker
2. Let Me
3. Joobobie
4. Well, You Needn't
5. Royal Love
6. A Child Is Born
7. Little Sherri
8. Royal Love [alternate take]
9. Let Me [alternate take]
10. The Clucker [alternate take]
11. Well, You Needn't [alternate take]

Charlie Rouse - tenor saxophone
Hugh Lawson - piano
Bob Cranshaw - bass
Ben Riley - drums

Recorded on October 20, 1977 in NYC.

Crosby, Stills, Nash & Young / Déjà Vu

録音は1969年後半。リリースは70年3月。高校に入学したのは72年4月。当時、軽音楽同好会なるものが高校にあって、入学後に顔を出したが、あまりにもやわな感じですぐに逃げ出した。彼らはTeach Your Childrenを盛んに練習していた。単なるコピーであることを一瞬で知ってしまったので、「つまらん」と。それだけがきっかけではなかったものの、少しずつジャズへ傾倒していった。ニール・ヤングのHelplessに自分たちの歌詞を付けて彼らがやっていれば、違う方向になったかもしれない。ということで、このアルバムは自分にとって一つの節目となったことは事実だ。

商品解説から。「60年代末、アメリカ西海岸から登場し若者たちから大きな支持を集めたクロスビー・スティルス・ナッシュ&ヤング。彼らは、50年代のフォークリバイバルやロックンロールの黎明期を経て〈ウッドストック〉へとつながるアメリカ文化の遺伝子を後世に残した偉大なグループである」。だからこそ、コピーには違和感を持ったのである。

1. Carry On
2. Teach Your Children
3. Almost Cut My Hair
4. Helpless
5. Woodstock
6. Deja Vu
7. Our House
8. 4 + 20
9. Country Girl (Whiskey Boot Hill / Down Down Down / Country Girl I Think You're Pretty)
10. Everybody I Love You

David Crosby - vocals, rhythm guitar
Stephen Stills - vocals, lead guitars, guitars, bass, keyboards
Graham Nash - vocals, rhythm guitar, keyboards
Neil Young - vocals, lead and rhythm guitar, keyboards, harmonica

Recorded in July - December 1969 at Wally Heider's Studio C, San Francisco and Wally Heider's Studio III, Los Angeles.