Clifford Brown / Memorial Album

まさしくクリフォード・ブラウンの記念すべきアルバム。ブラウンの演奏は1952年3月に記録されているが、53年6月まで空白となっている。その6月からセッションに参加を始め、数多くのアルバムを残すことになる。従って、本作が最初のリーダーアルバム。53年6月9日に開花し、56年6月26日に交通事故で散ってしまった。3年間を疾走したトランペッターであった。

ところが、このアルバムがLPとして世の中に出たのはブラウンの死後、56年9月。前半6曲は8月28日のセッション(ブラウンがリーダー)。後半6曲は6月9日のセッション(ルー・ドナルドソンがリーダー)。この2つのセッションを1つのアルバムにまとめた。ここでのMemorialの意味は「記念」ではなく、「追悼」なのだ。

1. Hymn Of The Orient
2. Easy Living
3. Minor Mood
4. Cherokee
5. Wail Bait
6. Brownie Eyes
7. Brownie Speaks
8. De-Dah
9. Cookin'
10. You Go To My Head
11. Carving The Rock
12. Bellarosa

Tracks 1 - 6
Clifford Brown - trumpet
Charlie Rouse - tenor saxophone
Gigi Gryce - alto saxophone, flute
John Lewis - piano
Percy Heath - bass
Art Blakey - drums
Recorded on August 28, 1953 at Audio-Video Studios, NYC.

Tracks 7 - 12
Clifford Brown - trumpet
Lou Donaldson - alto saxophone
Elmo Hope - piano
Percy Heath - bass
Philly Joe Jones - drums
Recorded on June 9, 1953 at WOR Studios, NYC.

Cliff Jordan / Blowing In From Chicago

クリフ・ジョーダンとジョン・ギルモアのテナー2管フロント。所有するアルバムでジョーダンを聴けるのはこの1枚。ギルモアはマッコイ・タイナーのアルバムToday And Tomorrowを含めて2枚のみである。自分のライブラリーに偏りがあるのだろうが、少なくとも、この二人が50年代以降のジャズシーンにおいて主流の位置を占めることがなかったのは事実。

逆説的ながら、だからこそ、このアルバムの価値は高い。ホレス・シルバー、カーリー・ラッセル、アート・ブレイキーの見事なサポートがあるものの、ジャズという音楽が沸騰しはじめた50年代後半の息吹を感じさせる。四谷のジャズ喫茶『いーぐる』店主の後藤雅洋氏は、「重心の下がったテナー・アンサンブルが心地よい」と評している。こんな表現は、まだまだ自分にはできない。自分のジャズの聴き方は、まだまだ重心が高いなぁ、と思ってしまう一枚。ジャズは胃袋で聴かなければ。

1. Status Quo
2. Bo-Till
3. Blue Lights
4. Billie's Bounce
5. Evil Eye
6. Everywhere
7. Let It Stand

Cliff Jordan - tenor saxophone
John Gilmore - tenor saxophone
Horace Silver - piano
Curly Russell - bass
Art Blakey - drums

Recorded on March 3, 1957 at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, New Jersey.

Chris Connor / Chris Connor At The Village Gate

CD帯から。「50~60年代に大活躍した白人ジャズシンガーといえば、アニタ・オデイ、ジューン・クリスティ、そしてクリス・コナーということになるだろう。そんなクリス・コナーの円熟した歌声が楽しめるアルバム。自在にメロディーを崩しながら、情感豊かな表現を聴かせるクリスの歌声が、じつに素晴らしい。ニューヨークの一流クラブというロケーションも最高で、ライブならではのリラックスした雰囲気の中に、クリス・コナーというシンガーのもつ魅力がよく発揮されている」。

これがちょっと怪しい。録音データは1963年としかないのだ。ニューヨークの一流クラブだったら、詳しいデータが残っているはず。その一流クラブ『ビレッジ・ゲート』をWikipediaで調べたところ、58年にオープンし、数々のライブアルバムを残してきたことが載っている。しかし、本作だけに関しては、録音データが記載されていないのだ。怪しいだけに、欲しくなったアルバムでもある。

Early Show
1. Lot Of Livin' To Do
2. Anyplace I Hang My Hat Is Home
3. All Or Nothing At All
4. Something's Coming
5. You Came A Long Way From St. Louis
6. Old Devil Moon

Late Show
7. I Concentrate On You
8. Black Coffee
9. Goodbye
10. Only The Lonely
11. Ten Cents A Dance

Chris Connor - vocals
Mundell Lowe - guitar
Ronnie Ball - piano
Richard Davis - bass
Ed Shaughnessy - drums

Recorded in 1963 at The Village Gate, NYC.