Chick Corea / Friends

出だしのチック・コリアの一音で、70年代感覚に引き寄せられる。当時は新風を感じたのだが…。ある意味、時の流れとは残酷である。少なくとも自分にとっては、今は何も感じなくなってしまった。新風であればこそ、一瞬の出来事だったのかも知れない。

CD帯から。「サウンドの魔術師が気心の知れた仲間と録音したコンテンポラリー・ジャズの逸品。軽やかなエレピ、スピーディーなアコピが多彩なオリジナルで魅力的な表情を見せる」。まさにタイトル通りで、仲良しこよしのお気軽セッションのように思えてしまうのだ。

1. The One Step
2. Waltse For Dave
3. Children's Song #5
4. Samba Song
5. Friends
6. Sicily
7. Children's Song #15
8. Cappucino

Joe Farrell - soprano saxophone, tenor saxophone, flute
Chick Corea - piano, electric piano, arrangement
Eddie Gomez - bass
Steve Gadd - drums

Recorded in January 1978 at Kendun Recorders Inc. Burbank, CA.

Chick Corea / Romantic Warrior

そう言えば、こんな時代もあったなと思い起こされるアルバム。ジャズの行き先が定まらず、クロスオーバーだ、フュージョンだと言い始めた時代。その頃、自分の中ではどうでも良かった。音楽、そしてジャズをカテゴライズするのはリスナーの責任。というより聴き手に任されるべきである。「あれは、ジャズじゃないね」と言っても、ジャズと言うカテゴリーで聴いている人がいれば、その人にとってそれはジャズなのだ。

チック・コリアは、時代に見事に反応してきたピアニストだった。1972年2月に名盤Return To Foreverを録音。それから4年後に本作を録音しているが、ジャズ的要素からはかけ離れて行った。だが、ジャズを起点としたプレイヤーが生み出した音楽であることは間違いない。大事なことは、その後どう継続されていったかということ。結局のところ、瞬間芸だったような気がする。

1. Medieval Overture
2. Sorceress
3. The Romantic Warrior
4. Majestic Dance
5. The Magician
6. Duel Of The Jester And The Tyrant (Part I & Part II)

Chick Corea - Acoustic Piano, Fender Rhodes, Honer Clavinet, Mini Moog, Moog 15, Micromoog, ARP Odyssey, Yamaha organ, Polymoog, Marimba, Percussion
Stanley Clarke - Alembic Bass with Instant Flanger, Piccolo Bass, Acoustic Bass, Bell Tree, Hand Bells
Lenny White - Drums, Timpani, Congas, Timbales, Hand Bells, Snare Drum, Suspended Cymbals, Alarm Clock
Al Di Meola - Electric Guitars, Acoustic Guitar, Soprano Guitar, Hand Bells, Slide Whistle

Recorded in February 1976 at Caribou Ranch, Colorado.

Chick Corea / The Leprechaun

録音データが怪しく、1975年としか記載されていない。詳しいデータがなければアルバムを評価できないのかと問われてしまうと答えに詰まるのだが、ジャズを年代的に追いかけている自分としては、重要な要素の一つであることは間違いない。75年1月にキースはケルン・コンサート、同年2月にマイルスは日本公演でアガルタとパンゲアに臨んだ。

チック・コリアは、そういった状況を踏まえて本アルバムの構想を練ったのか。それとも、我関せずだったのか。どちらにしても、キースやマイルスとは真逆の方向を示したアルバムである。全8曲、完璧なスコアを用意したのだろう。インプロビゼーションは皆無に等しい。チック自身が書いている解説の表題はArt and Imagination Belong to One Another(芸術と創造力は一心同体)。本文の中にも「即興性」という言葉は出て来ない。ジャズピアニストであることを放棄したチック・コリアがここにいる。

1. Imp's Welcome
2. Lenore
3. Reverie
4. Looking At The World
5. Nite Sprite
6. Soft And Gentle
7. Pixiland Rag
8. Leprechaun's Dream

Chick Corea - piano, keyboards, organ, synthesizer, percussion
Danny Cahn, John Gatchell, Bob Millikan - trumpet
Wayne Andre, Bill Watrous - trombone
Joe Farrell - saxophone
Ani Kavafian, Ida Kavafian - violin
Louise Shulman - viola
Fred Sherry - cello
Eddie Gomez, Anthony Jackson - bass
Steve Gadd - drums
Gayle Moran - vocals

Recorded in 1975.