Charlie Rouse / Moment's Notice

CDの帯から。「1977年に幻のピアニスト、ヒュー・ロウソンを従えカルテットで吹き込んだスウィンギーな傑作!セロニアス・モンク・カルテットの顔として活躍してきたラウズの男気溢れるテナーが最高!」。まぁそうだなと思う。だけど、「幻のピアニスト」って…。ロウソンは僅かであるが3枚のリーダーアルバムを残しているピアニストで、同日にラウズ抜きでのピアノトリオのセッションも行なっている。それが、初リーダーアルバムPrime Timeとなった。つまり、Moment's NoticeとPrime Timeは姉妹編という位置付け。

1977年10月20日、トリオとカルテットはどちらを先に録音したのか。姉と妹を示す何かのサインがないかと、この2枚を続けて聴いてみた。Prime Timeの中に、ほんの少しだけパーカッションのような音でも入っていれば、自身のセッションを録り終えたラウズが、スタジオの隅でこっそりと参加したことになる。一方、Moment's Noticeに、ラウズの渾身の長いブロウがあれば、この日のセッション完了という合図になるだろう。すると、Royal Loveの別テイクに、他の曲に比べてメンバー全員による気迫を感じたのだ。この日の長かったセッションは、このRoyal Loveで仕上げたのではないだろうか。そんなことを想像しながら聴くと、さらに楽しめるアルバム。別テイクを含めて70分11秒。世間的に名盤かどうかは知らないが、この姉妹編は自分としては間違いなく推薦盤。

1. The Clucker
2. Let Me
3. Joobobie
4. Well, You Needn't
5. Royal Love
6. A Child Is Born
7. Little Sherri
8. Royal Love [alternate take]
9. Let Me [alternate take]
10. The Clucker [alternate take]
11. Well, You Needn't [alternate take]

Charlie Rouse - tenor saxophone
Hugh Lawson - piano
Bob Cranshaw - bass
Ben Riley - drums

Recorded on October 20, 1977 in NYC.

Charlie Rouse / Yeah!

後藤雅洋氏の著書『一生モノのジャズ名盤500』で、次のように紹介されていて手に入れたアルバム。『セロニアス・モンク経由でラウズを見ていると見逃してしまうのがこうした「穴盤」。黒い、ただただ黒いハードバップが好きならハマること間違いなし。〈中略〉妙にナマナマしいサックスの息遣い、彼の代表作にて名演』。「穴盤」という表現が後藤氏らしい。

ジャケットは、チャーリー・ラウズ自身がびっくりマークを演じているという奇抜なアイデア、もしくはそのアホらしさ。どうせなら、アホに徹して白のスーツを着て欲しかった。で、演奏内容は実にマジメ。スタンダード曲を中心に、気負うことなく淡々と演じている。

1. You Don't Know What Love Is
2. Lil Rousin'
3. Stella By Starlight
4. Billy's Blues
5. Rouse's Point
6. (There Is) No Greater Love

Charlie Rouse - tenor saxophone
Billy Gardner - piano
Peck Morrison - bass
Dave Bailey - drums

Recorded on December 20 & 21, 1960 in NYC.