Cedar Walton / Eastern Rebellion 4

録音1983年5月。曲目の中にManteca, St. Thomas, Epistrophyがあれば、新たな解釈での演奏を期待してしまう。しかし。新鮮味はほとんど感じられない。ジャズという音楽は、ある意味で厳しいものである。変革しなければならない運命にある。取り上げる曲は、古くても、スタンダードであっても、プレイヤーの解釈と演奏スタイルが求められるのだ。

ここでの演奏には、新たな発見はない。ジャズの行き先が見えなくなってきた80年代初め。シダー・ウォルトンには、他にやるべき音楽があったのではないだろうか。このアルバムでグループEastern Rebellionは終結したのである。

1. Manteca
2. Close Enough For Love
3. St. Thomas
4. I Am Not Sure
5. Epistrophy
6. Groundwork

Bob Berg - tenor saxophone
Alfredo "Chocolate" Armenteros - trumpet
Curtis Fuller - trombone
Cedar Walton - piano
David Williams - bass
Billy Higgins - drums

Recorded on May 25, 1983 at Studio 44, Monster, Netherlands.

Cedar Walton / Eastern Rebellion 3

前作Eastern Rebellion 2から3年近く経って録音されたアルバムで、メンバーは変わらずにカーティス・フラーが追加参加。フラーのトロンボーンにより、前作に比べて一層の厚みを増した。Eastern Rebellionというグループ名で、1970年代から80年代にかけて4枚のアルバムを出している。いずれも完成度が高い。残念なことに、すべてスタジオ録音。

さらに残念なことは、No.2とNo.3で、ClockwiseとFirm Rootsの2曲を繰り返し演奏していること。メンバーが大幅に変わっての演奏、もしくはライブ演奏ならば、その意図は分かるのだが。このNo.3まではシダー・ウォルトン自身がプロデュース。客観的にグループの方向性を見ることができなかった感じがする。

1. Third Street Blues
2. Never Never Land
3. Incognito
4. Seven Minds
5. Clockwise
6. Firm Roots

Bob Berg - tenor saxophone
Curtis Fuller - trombone
Cedar Walton - piano
Sam Jones - bass
Billy Higgins - drums

Recorded on December 19, 1979 at Sound Ideas Studio, NYC.

Cedar Walton / Eastern Rebellion 2

1970年代半、日本ではハンク・ジョーンズ率いるThe Great Jazz Trioが大きな脚光を浴び、4ビートジャズ復活の兆しを感じた。同じころ、シダー・ウォルトンはEastern Rebellionを結成して、ジャズが本来持っているエネルギーの創出に取り組んだ。CD帯から。「名盤〈イースタン・リベリオン〉の大ヒットを受け制作された続編〈イースタン・リベリオン2〉。テナーがジョージ・コールマンからホレス・シルバー・グループを卒業したての若武者ボブ・バーグに代わり更にスケールアップしたシダー・ウォルトン・カルテット」。

ベースやドラムならまだ分かるが、フロントのメンバーを替えて続編とは、ちょっと奇妙な感じがする。タイトルをVol.2ではなく、単に2としているので、メンバーを替えた第2弾という意味合いだと思う。そして、バーグに代わったから更にスケールアップとは、コールマンに失礼な文章である。ちなみに、全曲シダーの作品であって、1曲目のFantasy In Dは、1963年当時は「雨月物語」に由来するUgetsuという曲名で、ジャズ・メッセンジャーズのアルバムタイトルにもなった。何故か変えてしまい、Dとは単にキーを示しているのだろう。

1. Fantasy In D
2. The Maestro
3. Ojos De Rojo
4. Sunday Suite
5. Clockwise
6. Firm Roots

Bob Berg - tenor saxophone
Cedar Walton - piano
Sam Jones - bass
Billy Higgins - drums

Recorded on January 26 & 27, 1977 at CI Recording Studios, NYC.