Cedar Walton / Eastern Rebellion

タイトルEastern Rebellionは、1961年にアイルランドで起きた武装蜂起Easter Rebellion(イースター蜂起)からのインスピレーションらしい。このタイトルは、後にグループ名となった。Rebellionとは、反乱とか暴動の意味。だが、演奏内容は決して過激ではない。リズムを重視したインタープレイ。シダー・ウォルトン名義でありながら、ジャケットに記された4人の名前は対等である。そのことが、従来のジャズグループの在り方と反すると言うことだろうか。

コルトレーン作Naimaのアレンジが見事で、アルバム全体を引き締めている。それに対して、ジャケットは何とも貧弱。Easternだから昇る太陽だろうか。オランダのレーベルTimelessの第1号リリース。タイムレス、時を超越したジャケットに挑んで欲しかった。

1. Bolivia
2. Naima
3. 5/4 Thing
4. Bittersweet
5. Mode For Joe

George Coleman - tenor saxophone
Cedar Walton - piano
Sam Jones - bass
Billy Higgins - drums

Recorded on December 10, 1975 at CI Recording Studios, NYC.

Cedar Walton / Pit Inn

シダー・ウォルトン、サム・ジョーンズ、ビリー・ヒギンスというメンバーが、なぜに新宿ピットインに出演したのかと思っていた。2014年12月付けのライナーノーツで原田和典氏が、「飛ぶ鳥を落とす勢いだった当時の笠井紀美子が、この3人を招聘して1974年12月2日から26日まで全国縦断コンサートを行った」と解説している。その合間の23日のライブ演奏。

つまり、日本のジャズレーベルであるイースト・ウィンドが、この機会を逃さないと録音した。だが、どうも音が前へ出てこないで、こもった感じ。サム・ジョーンズのベースって、もっと力強かったはず。ライブを体験した人は十分に堪能できたのだろうが、それが伝わってこない。カレンダーを辿るとこの日は月曜日。学生は別として、サラリーマンは明日の仕事のことが片隅にあったのではないか。さらに、イースト・ウィンド特有の意味不明なジャケットの風船が、そんなふわふわ感を助長している。

1. Suite Sunday
2. Con Alma
3. Without A Song
4. Suntory Blues
5. 'Round Midnight
6. Fantasy In "D"
7. Bleecker Street Theme

Cedar Walton - piano
Sam Jones - bass
Billy Higgins - drums

Recorded on December 23, 1974 at Pit Inn, Tokyo.

Cedar Walton / Cedar!

シダー・ウォルトンが33歳のときの初リーダーアルバム。ウォルトンは一時代を築いたピアニストではなく、傑出したアルバムを出した訳でもない。だけど、ジャズを長年聴き込んだ人には、彼のピアノは心のどこかに染み入ってくる。このアルバムを聴きながら、「しなやか」という言葉が今浮かんだ。

それに反して、ジャケットの木目は何を意味しているのだろう。刺々しさがなく、木の表面をカンナで綺麗に仕上げたようなアルバムということなのか。ふと思いつき、辞書で調べたらcedarはヒマラヤスギの意味。ちょっとがっかり。デビュー作ならばウォルトンの写真をもっと大きくすべきだった。タイトルのビックリマークが虚しい。

1. Turquoise Twice
2. Twilight Waltz
3. My Ship
4. Short Stuff
5. Head And Shoulders
6. Come Sunday
7. Take The "A" Train

Junior Cook - tenor saxophone (tracks 1,5-7)
Kenny Dorham - trumpet (tracks 1,2,4-7)
Cedar Walton - piano
Leroy Vinnegar - bass
Billy Higgins - drums

Recorded on July 10, 1967 in NYC.