Cannonball Adderley / Know What I Mean

いろいろと気になることが多いアルバム。まずは、ジャケット。タイトル下には少し小さなフォントでwith Bill Evansとあるので、キャノンボール・アダレイ名義ながらも、エバンスとの合作であることがわかる。しかし、アダレイの表情が妙に硬い。人の足を逆さにした置物が意味不明でもある。その下には、エバンスの写真。これは、エバンスのアルバムSunday At The Village Vanguardに使われたジャケット写真と同じ。ジャケット全体からは、まるでエバンスの追悼アルバムのように思えてしまう。

そして、エバンス作の名曲Waltz For Debbyからスタート。本作が録音された時点では、エバンスの同名のライブアルバムは、まだ録音されていない。エバンス自身による初演は、1956年9月録音のピアノトリオによるアルバムNew Jazz Conceptionsで、本作が2回目のセッション。エバンスは、アダレイをフロントに加えたらどんな感じの曲想になるのか試したかったのだろう。つまり、エバンスの実験アルバムのような気がしてくる。アダレイの表情が硬いのは、実験台にされたKnow What I Mean(オレの気持ちを分かってくれ)ということなのだ。

1. Waltz For Debby
2. Goodbye
3. Who Cares? [take 5]
4. Who Cares? [take 4]
5. Venice
6. Toy
7. Elsa
8. Nancy (With The Laughing Face)
9. Know What I Mean? [re-take 7]
10. Know What I Mean? [take 12]

Cannonball Adderley - alto saxophone
Bill Evans - piano
Percy Heath - bass
Connie Kay - drums

Recorded on January 27, February 21 and March 13, 1961 at Bell Sound Studios, NYC.

Cannonball Adderley / In San Francisco

ジャケットがいいなあ。キャノンボール・アダレイが弟のナットに「いい感じで音が出ているじゃないか」と。「アニキのスイング感覚には、まだまだ及ばないよ」とナット。そんな雰囲気だ。当時、キャノンボールは31歳、ナットは27歳である。こういうツーショットをジャケットにしたのも珍しい。ライブならではのリラックスしたムードを楽しめるアルバム。

英文Wikipediaによると、このライブは"before an appreciative standing-room only crowd"とあった。50年代の終わり。立ち見でジャズを聴くなんて、例が少なかったのではないだろうか。絶妙なタイミングで掛け声や拍手が起きるのも、観客が楽しみながらも集中して聴いているからだ。演奏側もそれに応えてエネルギッシュなプレイ。何度聴いても飽きないライブアルバム。

1. This Here
2. Spontaneous Combustion
3. Hi-Fly
4. You Got It!
5. Bohemia After Dark

Cannonball Adderley - alto saxophone
Nat Adderley - cornet
Bobby Timmons - piano
Sam Jones - bass
Louis Hayes - drums

Recorded on October 18 & 20, 1959 at The Jazz Workshop, San Francisco.

Cannonball Adderley / Cannonball Adderley Quintet In Chicago

「マイルス・デイビス・バンドのシカゴ滞在中にボスを除く5人が録音。キャノンボールとコルトレーンが白熱のサックス・バトルを展開」とCD帯にある。1959年2月3日だけで録音を完了させているのは、ボスの唯一の休息日だったということだろうか。ちなみに、「バトルを展開」とあるが、それは全6曲中の4曲のこと。Stars Fell On Alabamaはキャノンボール、You're A Weaver Of Dreamsはコルトレーンによるワンホーンである。

同年3月と4月にマイルスがアルバムKind Of Blueを、コルトレーンはアルバムGiant Stepsを5月に録音している。そんなジャズの大きなうねりの前に、親分のマイルスを抜かしたメンバーで録音されたアルバム。全体にリラックスしたムードが漂ってくる。

1. Limehouse Blues
2. Stars Fell On Alabama
3. Wabash
4. Grand Central
5. You're A Weaver Of Dreams
6. The Sleeper

Cannonball Adderley - alto saxophone (tracks 1-4,6)
John Coltrane - tenor saxophone (tracks 1,3-6)
Wynton Kelly - piano
Paul Chambers - bass
Jimmy Cobb - drums

Recorded on February 3, 1959 at Universal Recorders Studio B, Chicago.