Bob Dylan / はじまりの日

2010年3月発行 岩崎書店 定価1,600円。ディランの曲Forever Youngを詩人Arthur Binard(アーサー・ビナード)が日本語に訳し、イラストレーターPaul Rogers(ポール・ロジャース)が絵にした。この絵本には、ディランによるこの曲の解説が載っている。

「ぼくはひとりアリゾナ州に行って、そこで息子のことを思いながら〈フォーエバーヤング〉という歌をつくった。べつに作詞作曲をやろうと意気込んだわけじゃなく、自然にうかんできて、そのままできあがった。なるべく感傷的にならないように、ちょっと努力しただけだ」。以下は、ビナードの訳詞とディランの原詩の最初。ディランの作品の中で、自分が最も好きな曲の一つ。

きみが 手をのばせば しあわせに とどきますように
きみのゆめが いつか ほんとうに なりますように
まわりの 人びとと たすけあって いけますように
星空へ のぼる はしごを 見つけますように
毎日が きみの はじまりの日
きょうも あしたも
あたらしい きみの はじまりの日

May God bless and keep you always
May your wishes all come true
May you always do for others
And let others do for you
May you build a ladder to the stars
And climb on every rung
May you stay forever young
Forever young, forever young
May you stay forever young

この絵本の最後には、ロジャースによる一枚一枚の絵の解説が載っている。それを読みながら、繰り返し絵を見るのも楽しい。絵の中には様々な人物が登場する。なんと、セロニアス・モンクまでいるのだ!

スイングジャーナル 1986年12月増刊「JAZZ BOOK '87」

自分が理事を務める応用科学学会では、「人工知能とひと」と題して秋季シンポジウムを計画している。今、人工知能は第3次ブームを迎えていて、第2次ブームが1980年代末に終焉した。

1986年末のスイングジャーナル増刊号を開くと、「空前のジャズ・ブームを探る」という特集記事があった。確かにそうだったのだろう。だが、やはりブームは静かに去って行った。残念ながら、ジャズ界においては人工知能のように新たなブームは湧き上がっていない。

そういえば、この増刊号が発刊された頃、自分は画像認識エキスパートシステムの研究に没頭していた時期ではないだろうか。証拠があった・・・。

http://ci.nii.ac.jp/naid/110002724370

スイングジャーナル 1986年5月臨時増刊「ジャズ・ジャイアンツ これが決定盤」

116人のプレイヤーのアルバムを、それぞれ10枚・5枚・4枚という3段階に分けて紹介している。つまり、数百枚のアルバムを掲載。これは毒である。所有していないアルバムを見つけると、どうしても聴きたくなる。そして、無意識にアマゾンで検索を始める。

この増刊号が発売された当時はアマゾンなんてなかった。なので、気になるアルバムをメモして渋谷のディスクユニオンに中古LPを探しに通ったものだ。その頃、給料は現金支給だった。アパートの家賃を払いレコード代を確保し、残ったお金で安い酒を買い生活していたのが懐かしい。古いジャーナルは、当時の生活を思い出させてくれる。