スイングジャーナル 1971年9月号

サッチモを追悼する特集号となった。それはそのはず、異論をはさむ余地はない。そんな中で、この時代の新たなジャズの息吹を感じる記事を発見。

渡辺貞夫、菊池雅章、富樫雅彦、ゲイリー・ピーコック、村上寛によるスタジオ録音。一度は聞いてみたいと思いアマゾンで検索。なんと新品で12,000円以上、中古でも6,000円。今の時代、幻の名盤でもないだろう。安価でとは言わないものの、適切な価格でジャズの音源を普及してもらいたい。それが、これからのジャズにつながる可能性は十分にあると思う。

スイングジャーナル 1971年8月号

表紙はニーナ・シモン。ルイ・アームストロング逝く!! 野口久光氏が「サッチモを悼んで」というタイトルで書いている。その締めくくりは、「私はジャズがさらにアームストロングの思想と精神を受けついで生きつづけることを信じたい」。この記事からちょうど50年なった。さて、今は野口氏が望んだジャズの状況であろうか。

スイングジャーナル 1971年7月号

表紙はカーメン・マクレイ。全日本ジャズ・フェスティバルは1968年から72年まで続いた。もちろん、リアルタイムで経験していない。音源としては、このフェスティバルを企画した原信夫、つまりシャープス&フラッツの演奏しか残っていないようだ。

この号では、岩浪洋三氏がレポートしていて、面白い一文を拾い読みした。「ソロではやはり渡辺貞夫のプレイが群を抜いていた。日野皓正の場合は熱演は買えるが、常にハードにだけ吹きまくると、かえって訴える力が弱くなる。強弱があってこそそこにダイナミックスが生まれるのである」。こんな文章でジャズ評論家として飯が食える時代だったのだ。